タイムレスなデザインと品格をたたえる家具ブランド「Minotti」

2023.03.10

Made in ITALYにこだわったものづくりと、モダンかつ洗練されたデザインで、インテリアシーンを牽引する家具ブランド「Minotti」(ミノッティ)。高級レジデンスや個人邸だけでなく、64ヵ国以上の国で愛用されていることからも、その世界観の素晴らしさを窺い知ることができます。

BEARSがリノベーションを手がけた「クレストコート砂土原」でも、Minottiのソファやサイドテーブルなどを導入。空間を引き立て、住む人の暮らしの質を底上げするようなMinottiの魅力に迫るべく、Minottiゼネラルマネージャーの益子雄二郎さんにお話を伺いました。

今回の前編ではMinottiのブランドの歴史や魅力、こだわりについて、そして後編ではイタリア家具のある暮らしについて紹介していきます。

“空間”全体を提案するイタリア高級家具ブランド

――まず最初に、Minottiの歴史について教えてください。

益子雄二郎さん(以下、益子):Minottiは1948年、ミラノからおよそ20km北上したところに位置するメダという町で誕生しました。イタリアの高級リゾート地・コモ湖にほど近いメダは、18世紀から高級家具の産地として発展した場所です。

創業者のアルベルト・ミノッティは家具職人で、当初は木を削り出して作るようなクラシックな家具を展開していましたが、1970年代に2代目であるレナート&ロベルト・ミノッティ兄弟によってモダンな家具にシフトしました。そして1998年から始まった建築家ロドルフォ・ドルドーニとのコラボレーションをきっかけに世界中にその名を轟かせ、イタリアを代表するグローバルブランドへと成長したのです。

――世界的な家具ブランドとしての地位を築いた理由はどこにあったのでしょうか?

益子:建築家のロドルフォ・ドルドーニとの協業により、単に家具をデザインして作るだけではなく、“空間”全体をプロデュースして提案したことです。

2022年のコレクションより。毎シーズンのテーマに合わせ、ソファやテーブル、ラグ、小物やアートにいたるまで空間すべてをコーディネートし提案している。

多くの家具メーカーの場合、いろいろなデザイナーに依頼して、プロダクトごとに点で展開するのが一般的です。それをMinottiでは、ソファだけでなくサイドテーブルやラグ、ダイニングテーブルだけでなくチェア、キャビネットなど、サイドプロダクトまでひとつの世界観でデザインすることで、“空間”そのものをコーディネートしてプレゼンテーションしました。その提案力の高さと確固たる世界観が、多くの人を魅了するのだと思います。

“空間”すべてを包括するデザインを“コレクション”と名づけ、毎年4月に開催される世界的な家具の見本市「ミラノサローネ」で発表しています。見本市なので試作段階のものを発表するメーカーも多いなか、Minottiでは製品化したものを発表しているのも特徴です。自分たちが作り上げるものに自信とプライドを持っているからこそ、見る人が惹きつけられ、そこにトレンドを感じるのではないでしょうか。

「いいものを長く使う」イタリアの思想が表れたこだわり

――Minottiのこだわりについて教えてください。

益子:まずは、シンプルで無駄がないモダンなテイストで、洗練されたデザイン。タイムレスな魅力をたずさえているため、どのような空間にもマッチするのが特徴です。そしてそのデザインを支えているのが、ファブリックなどの素材を邸宅の雰囲気やお好みにあわせてメイドトゥオーダーできるシステム、イタリアならではのものづくりです。

素材は、高級自動車の内装に使われているレザーや、ハイブランドの布地と同等のファブリックなど、Made in ITALYならではのものを贅沢に使っています。なかでもファブリックは毎シーズンオリジナルで50種類近くのバリエーションを開発するほどのこだわりがあり、アーカイブを含めると約400種類ほどから選ぶことができるようになっています。たくさんのファブリックのなかから、お客さまご自身にお部屋の雰囲気やどういった空間にしたいかで選んでいただき、熟練のイタリア職人がメイドトゥオーダーで製作することで、美しい空間を演出できる家具に仕上げています。

――メイドトゥオーダーとのことですが、すべてをイタリアで製作しているのでしょうか?

益子:はい。Minottiの拠点であるメダという街は人口の9割がインテリア関連の仕事をしているエリアで、家族代々が家具職人だったり、縫製のレベルが高かったり、まさに家具づくりには最適な場所です。そんな土地で、自分たちの目の届く範囲でものづくりを一貫して行うことで、クオリティの高い家具を提供できるのです。

また熟練の職人たちが手がけることで、座り心地などの使用感にもこだわっています。クッションは硬めでへたれないので形崩れが少なく、長期間使えるように。やわらかいウレタン剤を中芯に、表面には羽毛をたっぷり使用することで座った瞬間はソフトである程度沈んだら腰をしっかりサポートする硬さになっています。カバーは洗えるようになっているのでご自宅で交換でき、メンテナンスしながら長く使っていただけるサステイナブルな仕組みになっています。見た目の美しさはもちろん、メンテナンスをしながら長く使い続けられるものをつくることを大切にしています。

歴史あるヴィンテージマンションにタイムレスな魅力を与える

山の手の高級住宅街として知られる市谷砂土原町に建つ、プレミアムなヴィンテージマンション「クレストコート砂土原」。BEARSがその一室のリノベーションを手がけました。パブリックエリアのリビングダイニングは約75平米。その広いリビングの主役ともいえるのがMinottiのソファです。

――BEARSがリノベーションした「クレストコート砂土原」では、Minottiの「ハミルトン」というソファを導入しています。このソファについて教えてください。

益子:「ハミルトン」は2003年に発表されたモデルで、正方形の大きなパーツで構成されているのが特徴です。タイムレスな魅力を持つMinottiらしさを体現したような人気のソファで、座面に奥行きがあるので、寝っ転がったり、お子さんとコミュニケーションを楽しんだり、座るだけでなくいろいろなスタイルで楽しんでいただけると思います。

「クレストコート砂土原」のリビングに採用したソファ「ハミルトン」。センターテーブルやサイドテーブルもMinotti製。

益子:親しい人が集まるような空間でリラックス感を演出でき、広いスペースに映える「ハミルトン」は、広いリビングがある「クレストコート砂土原」にぴったりなモデルなのではないでしょうか。発表から20年近くが経過しているのに現代の住宅においても古さを感じさせないのは、洗練されたモダンでタイムレスな魅力があるからだと思います。

エレガントかつモダンな世界観で、空間を引き立てるMinottiの家具。最後に、「クレストコート砂土原」の設計、デザイン、インテリアコーディネートを担当した株式会社リブラスタイル代表取締役の手塚由美さんにも、Minottiの魅力を伺いました。

『Minottiは、張地のファブリックやレザー、木部や石などのクオリティが素晴らしく、使い心地のよさとデザイン性の高さを兼ね備えた稀有なブランドだと思います。

今回「クレストコート砂土原」のリビングに導入したソファ「ハミルトン」は、広いスペースにふさわしいサイズ感で、物件のグレードの高さともマッチしていたことから採用しました。広いリビングの中心に配置するセンターレイアウトに適した、背面が見えることも考えられたデザインが魅力だと思います』(手塚由美さん)

ボリュームのあるソファが広いリビングにラグジュアリー感を与えている。

BEARSの空間づくりに対する想いはMinottiと共通するものがあります。壁の素材や色、空間の広さや形、照明、インテリア…すべてが調和してこそ実現する、唯一無二の住まい。「クレストコート砂土原」ではトータルな世界観をデザインし、歴史ある物件にラグジュアリーモダンなMinottの家具を置くことで、品格を備えながらも今の時代にふさわしい部屋が実現しました。

インテリアのプロをも魅了するMinottiの家具。次回は実際にショールームをご案内いただきながら、その家具と空間が作り出す素晴らしさについて迫っていきます。

DATA

益子 雄二郎(ますこ ゆうじろう)

Minottiゼネラルマネージャー
https://minotti.jp/

2005年TOKYOオープンより業務に従事
1000件以上のお客様案件を対応する

Minotti/ミノッティ
イタリアを象徴するモダン家具ブランド。ミラノの北20kmの高級家具産地メーダにあります。アルベルト・ミノッティにより1948年に創業。2018年、70 周年を迎えました。クラシックな木工家具工房から始まり、モダン家具の製造技術を確立したアルベルトの業績をうけ、レナート&ロベルト・ミノッティ兄弟はグローバルなマーケティング戦略をすすめ、国内外で認められるブランドに成長しています。

Text by Hitomi Miyao
Photos by Mitsuo Yamamoto, Fumiko Nakayama
         

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