自宅でも手軽にサウナ時間を「ハルビア」

2024.03.08

人口600万人に対し、サウナが300万個あるというサウナ大国・フィンランド。前編では、フィンランドのサウナ文化と心豊かな暮らしについて、世界的なサウナ&スパブランド「ハルビア」CEOマティアス・ヤーネフェルトさんにお話を伺いました。後編の今回は、今年2月に港区赤坂にオープンしたハルビアの東京ショールームを訪問し、日本法人「HARVIA JAPAN(ハルビアジャパン)」のCEO 笠間聖司(かさませいじ)さんに、ショールームの見どころや日本でサウナを採り入れる際のポイントについて伺いました。

集合住宅にも手軽に設置できる小型サウナも

ハルビアジャパンCEOの笠間聖司さん
 

ショールームには本場フィンランドの白樺が飾られ、一歩足を踏み入れるとここが東京のオフィス街であることを忘れそうなほど。

――はじめに、このショールームをご案内いただけますか?
笠間聖司さん(以下、笠間):もちろんです。では、エントランスからご紹介しましょう。入口の装飾は本物の白樺を白く塗ったもので、通路にも木片を敷いています。歩くとざくざく音がしますが、森の中へ入るような気分になっていただくための、ちょっとした遊び心ですね。

ショールームのエントランス。白い空間にハルビアの赤いロゴマークが映える。見学は要予約。

笠間:ショールームでは、インドア・アウトドアのサウナルームと様々なタイプのサウナヒーターやストーブを展示しています。現状実際にサウナを体験いただけないのが残念ですが、サウナルームの中に入って座っていただくことは可能です。空間の雰囲気や木の香り、ぬくもりを肌で感じていただけたらうれしいですね。

アウトドアシリーズの「レジェンドサウナキャビン」。写真は薪加熱式。この他に電気加熱式で煙突がないタイプもある。

――どれもスタイリッシュなデザインで、居心地がよさそうですね。

笠間:ありがとうございます。ハルビアはデザインにこだわりがあり、自社デザイナーがスタイリッシュな内装に仕上げています。サウナヒーターのデザインも秀逸ですね。

――自宅にサウナというと、広々とした住宅でないと難しいのかと思っていましたが、コンパクトなものもあるのですね。

笠間:そうなんです。ここに展示している中で一番小さなものは1人用で、四辺が1m弱です。マンションでも設置できるタイプですね。当社では日本の住宅事情を考慮して、省スペース型のものも多く扱っています。

――設置工事は大変なのでしょうか。

笠間:もちろん電気の工事は必要ですが、部材がキットになっているので組み立ては難しくありません。大規模な工事は不要です。

――庭に置ける屋外タイプのものもあるのですね。
笠間:たとえば、この樽型のものは屋外用で、別荘で使われる方もいらっしゃいます。小さく見えますが、中に3、4人は入れるんですよ。この絶妙なサイズの空間が好評で「中に入ると気分が落ち着く」と言ってくださる方が多いですね。

―サウナのある暮らしに憧れている方はたくさんいらっしゃると思いますが、それほど苦労せずとも、憧れを現実にすることができそうですね。

笠間:そうですね。インドアサウナの「ソポ」というシリーズは、1人用143万円~という価格帯です。サウナは贅沢品ではなく日常使いしていただきたいので、リーズナブルな価格に設定しています。当初、「軽自動車と同じくらいの価格に」と考えていたのですが、最近は軽自動車も高いので、もしかするとサウナのほうが安いかもしれませんね。

インドアサウナの「ソポ」シリーズ。写真は2~3人用の「ソポ1616」

サウナを安全に楽しむために、確かな品質を保証

――ハルビアは世界シェアNO.1のサウナメーカーですが、その特徴を教えてください。

笠間:一番の特徴は品質へのこだわりです。見た目のデザインも大事ですが、何より重要なのが安全性です。たとえば、当社のサウナストーンは火山性の花崗岩を使用しています。見た目だけでいえば別の石でも変わらないように見えるかもしれませんが、花崗岩は固くて密度が高いため、熱して水をかけても割れたり有毒ガスが出たりすることなく、安全にロウリュウを楽しむことができるのです。近年のサウナブームでサウナが急増していますが、サウナというのは一歩間違えれば事故につながりかねないので、品質の確かなものを使っていただきたいですね。

笠間:フィンランドと日本では使用環境や関連法規も異なりますから、ハルビア・ジャパンではフィンランドの製品を日本でも安全で快適に使用できるように、カスタマイズしています。また、メンテナンスにも力を入れていて、すべての都道府県に営業拠点を置き、何かあった際はすぐに駆け付けられる体制を整えています。

「自分流にサウナを楽しんでほしい」

――「もっと身近にサウナを楽しみたい」という方に向けて、サウナの楽しみ方についてのアドバイスをいただけますか?
笠間:まず、「こうするべき」「こうしなければいけない」という考えに縛られないでほしいですね。ご自宅のサウナでしたら、お好みの温度に設定できますし、どんな楽しみ方をされてもよいのですから。従来の日本のサウナは、熱さに耐えて、冷水で身体を冷やして…というストイックなものが主流でしたが、ご自身が心地よいと感じるやり方を見つけてください。フィンランドでは、サウナでリラックスすることを重視しており、日本より温度が低めです。一緒に入った人と軽くおしゃべりを楽しめるくらいの温度が一番くつろげるのではないでしょうか。

――笠間さんご自身はどのようにサウナを楽しんでいらっしゃいますか?

笠間:私は仕事の仲間と一緒に入ることが多いですね。私にとってサウナは、人間が一番フラットになって付き合える場所です。サウナの中では肩書も何も関係がなくなるのがいいですね。どのブランドの服を着ているかも関係ないですし、まさに裸の付き合いです。温泉に仕事関係者と一緒に入るのはちょっと気がひけてしまいますが、サウナなら入りやすいですよね。また、サウナにスマホは持ち込めませんから、SNSから離れてリラックスすることができます。サウナにはすばらしい健康効果がありますが、それだけではない人間関係の楽しみがあると思います。

「サウナを目で見て、体験してほしい」と笠間さん。自身もサウナ好きで、世界中のサウナを巡って旅をしているという。

――最後に、これからの展望について教えてください。

笠間:ハルビアジャパンでは、日本人の生活の中にサウナを定着させたいと考えています。「サウナが一家に一台」となればいいですね。

私はフィンランドとのつながりが深く、30年以上前から年に何度も行き来しています。その中で本当の幸せとは何かということを考えるようになり、フィンランドの自然と共存する豊かな暮らしを学ばせてもらったように思います。お世話になったフィンランドに恩返しがしたいですし、日本人にフィンランドの豊かな生き方を伝えていきたいと思っています。

――ありがとうございました。

 サウナには美肌効果や血流改善などさまざまな健康効果があることが知られていますが、それらはサウナの魅力のほんの一部。人との交流を楽しんだり、頭をカラにして心からリラックスしたりする―そんなサウナ時間を持つことが、豊かな暮らしにつながるのかもしれません。ときには自分自身と向き合って、心の底から心地よいと感じる時間を過ごしたいものです。

DATA

笠間聖司 Seiji Kasama

株式会社HARVIA JAPAN CEO 大学卒業後、フィンランド輸入住宅の建設現場でアルバイトとして従事。 ハルビア日本総代理店を経て、2023年に株式会社HARVIA JAPAN設立。 在札幌フィンランド共和国名誉領事も務める。

Text by Sayoko Murakushi
Edit by Ryoga Sato
Photos by Eiji Miyaji
         

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