邸宅を訪ねるように。細部にまで世界観を宿した
「Poliform TOKYO」

2025.09.19
“サイレントラグジュアリー” と称される、落ち着きとエレガンスを持ち合わせた「Poliform(ポリフォーム)」のインテリア。前編ではブランドの歴史や、プロダクト同士の調和がとれたデザインの秘訣を伺いました。

後編では2025年4月末に東京・南青山でオープンした、日本初のブランドストア「Poliform TOKYO」を訪問。東アジアエリアの旗艦店にも位置づけられ、空間全体でブランドの世界観を体感できるこの店舗を、ストアマネージャーを務める梶原 理香さんにご案内いただきました。
東京・南青山にある「Poliform TOKYO」の外観
「Poliform TOKYO」

ブランドの世界観を100%体現できる空間

——なぜ東アジアの拠点に日本が選ばれたのでしょうか。

梶原 理香さん(以下、梶原):Poliformはかねてより日本市場への強い思い入れを持っていました。国内の総合代理店であるアクタスとの良好な取引関係が約15年に渡って続いていることは、日本において確かなビジネス基盤を築いてきたことを示しています。アジア市場の重要性が高まる中で、日本が東アジアにおいて旗艦店を置く最適な場所と位置づけられたのは自然な成り行きでした。

今回の出店は世界で111店舗目にあたり、単独店舗としての展開です。これにはアクタスが展開するショップインショップでは伝え切れない “ブランドの世界観を100%体現できる空間を創出したい” という戦略的な意図があります。実現できる場を長年探し続け、ようやく成就したのが南青山でした。

2フロアそれぞれで違う体験を

——ストアの特徴を教えてください。

梶原:「Poliform TOKYO」は2フロア構成で、1階はくつろぎと会話を楽しみゲストをもてなすDAYエリア(リビング、ダイニング、キッチン、アウトドア)、2階はパーソナルなスペースを美しく演出するNIGHTエリア(クローゼット、ベッド、パーソナルリビング)と、大きくゾーニングを分けております。 また一般的な店舗では路面に直接入口を設けるところを、 “誰かの邸宅を訪れた” ような感覚を演出するために、あえて回廊を通ってエントランスに入っていく造りにしています。

Poliform TOKYOのエントランス前に展示されているアウトドアインテリア
エントランス前に配置されたアウトドアコレクション

——それぞれのフロアでは、どんな展示がされているのでしょうか。

梶原:1階は “お客様をお迎えする場” というテーマで、天井高を4mほど確保し、開放的で明るい印象に仕立てています。エントランス入ってすぐにはウェルカムパーティーを連想していただけるようキッチンを配置しており、奥ではリビングやダイニング向けの家具もご覧いただけます。

梶原:一方で2階は家族がくつろぐスペースをイメージしており、1階より天井高を50cmほど低くして照度を下げ、落ち着ける雰囲気にしているのが特徴です。ここではよりプライベートな空間として、ベッドルームやクローゼット、パーソナルリビングをご覧いただけます。

「Poliform TOKYO」2階にあるベッドルーム
2階のベッドルーム

空間を “繋ぐ” デザインの妙

——個々の空間に別々のコンセプトがあるのではなく、シーン全体に繋がりを感じますね。

梶原:そうですね。そこが家具だけではなく、壁面パネルや扉といった建具までつくっているブランドの強みと言えます。隅々まで統一した世界観が行きわたるので、空間同士をシームレスに繋げられるんです。

Poliformは「R&D Poliform」という建築専門の部隊を持っています。世界各国の建築家と協業してインテリアデザインを行うことも多いので、プロダクトありきではなく建物に馴染むご提案ができるんです。主要な経営陣の一人が建築家であることも、こうした提案のスタンスに影響を及ぼしています。

——色が控えめなのに、単調な印象にならないのはなぜでしょうか。

梶原:ディテールの部分でアクセントをつけているからだと思います。例えば同じ素材であってもマットやグロッシーなど仕上げやデザインを変えることで、パッと見たときに同じ素材だと気が付かなかったり、間接照明をうまく使って陰影を出すことで、シンプルながらのっぺりとした印象にならないようにしているんです。

「Poliform TOKYO」2階に展示されたベッドとフットベンチ
手前のフットベンチとベッドサイドテーブル、奥の壁面には同じ素材を使用。少しずつデザインを変えることで単調な印象を与えない。

——家具の他にも、ストア内に飾られているアート作品やオブジェも購入できるそうですね。

梶原:はい。ストアオープンのために、アクタスのバイヤーがドイツや韓国、ボスニアヘルツェゴビナなど世界中から厳選したものを配置しています。また日本の画家による各空間のコンセプトに合わせたアート作品も展示しており、いずれもご購入が可能です。

「Poliform TOKYO」に展示されたアート作品やオブジェ
ストアの各所に展示されたアート作品やオブジェの数々

次ページ▶ プロダクトを自宅に取り入れる際のポイントとは?

DATA

Poliform TOKYO

2025年4月にオープンした日本初のフラッグシップストア。 上質な邸宅を訪れたかのような心地よさと気品を湛え、ブランドが提案するライフスタイルを五感で体感できる。 空間デザインに精通した専任スタッフが常駐しており、住む人の想いに寄り添った提案を受けられるのも魅力。

〒107-0062 東京都港区南青山5-4-50 Metsä Minami Aoyama B館
TEL:03-6696-0580
poliform.it

梶原 理香 Rika Kajiwara

Poliform TOKYO ストアマネージャー 2024年に株式会社アクタスに入社。2025年4月より「Poliform TOKYO」のストアマネージャーを務める。

この記事をシェアする

MAIL MAGAZINE

   

こだわりの住空間やライフスタイルを紹介する特集、限定イベントへのご招待など、特典満載の情報をお届けします。

JOIN US

ベアーズマガジンでは記事を一緒に執筆していただけるライターを募集しています。

   
ページの先頭へ戻る
Language »