広い空の下、華やかな都会で自分らしい暮らしを「下目黒」「目黒本町」「碑文谷」

2023.07.21

青空は広く、公園には木々が生い茂り、道幅はゆったりしていて、そのうえ静か。こんな環境が都心に近い場所で揃うのが、今回ご紹介する目黒区の高級住宅街「下目黒」「目黒本町」「碑文谷」周辺です。

目黒駅から目黒通りを西側に向かって下り、春になると美しい桜を咲かせる目黒川と、品川から板橋までをつなぐ山手通りを越えた先の高台にこのエリアがあります。

駅から少し距離があるからこそ保たれている住環境があるのでしょう。良質な住環境を保護するための高さ制限がある「第一種低層住宅専用地域」に指定された区画も多い場所。一戸建て住宅が並ぶ閑静な街並みが広がっています。だからといって買い物にも、遠出にも、全く不便を感じることはありません。その理由と街の魅力について、このエリアに7年お住まいの方にお話を伺いました。

高い建物がなく、一戸建て住宅が並ぶ住宅地は、空がより広く感じる。

江戸の行楽地として栄えた場所

「下目黒」「目黒本町」「碑文谷」がある目黒区。「目黒」という地名の由来は諸説ありますが、その中のひとつに“目黒不動尊説”があります。東京には五色の不動尊(目黒、目白、目赤、目黄、目青)が実在し、この地(下目黒3丁目)に目黒不動尊(天台宗瀧泉寺)があることから、「目黒」という地名が生まれたという説です。創建は平安時代初期。不動信仰は江戸中期に盛んになり、目黒不動は江戸近郊の行楽地となりたくさんの参拝客で賑わいました。当時の錦絵を見ると目黒不動尊の周りは田園地帯で自然豊かな場所だったことがわかります。

当時、目黒はたけのこの名産地として知られており、竹林がいたるところにありました。今でもその美しい光景を目にすることができるのが「すずめのお宿緑地公園」です。
園内には、村の「年寄」という重要な役職を務めていた「栗山家」の旧家もあり、昔ながらの雰囲気を楽しむことができます。建物保存のため、現在も毎朝かまどに薪をくべて火をおこし、その煙で建物内部をいぶしているそう。江戸中期建造と推定されるこの古民家は、区の指定文化財として大切に管理されています。

そしてもう一つ、目黒の歴史として興味深いのが「目黒競馬場」です。現在の下目黒4〜6丁目にまたがるあたりには、1907年(明治40年)から1933年(昭和8年)までの間「目黒競馬場」がありました。レース開催日になると近くに貸し衣装屋が店を出し、礼服やシルクハットで華やかに着飾った人が多く集まったそうです。現在でも、当時のコースそのままにカーブしている道路や、目黒通りにあるバス停「元競馬場」の名称から、その名残を感じることができます。競馬場はその後、府中市へ移転して現在の「東京競馬場」になりました。

都心に残る広大な森林

競馬場跡地の南側には目黒区と品川区にまたがった大きな公園「林試の森公園」があります。ここは1910年(昭和43年)ごろには国の「林業試験場」があった場所。園内には、当時から受け継がれた珍しい木がたくさん植えられていて、今でも立派な自然環境が守られています。ほかにも、このあたりには江戸から昭和初期にかけて碑文谷村の灌漑用貯水池として利用されていた「清水池公園」や「碑文谷公園」があり、近隣に住む人々の憩いの場になっています。

自然を感じるスポットがいくつもあるからこそ、このエリアが住宅地として人気だということがわかりますね。それでは、実際にお住まいの方はいったいどんな暮らしをされているのでしょうか。

戸建てにゆったりと暮らす

今回お話を伺ったMさんのお住まいは目黒にある一戸建て住宅です。自宅周辺は、親の代から土地を受け継いで長く住んでいる人が多いそう。会社経営者のMさんはこれまで新宿区四谷、港区白金と都内での引越しを経て、7年前から目黒に住んでいらっしゃいます。ご夫婦と小学生のお子様との3人暮らし。まずは、目黒を選んだ理由をお伺いしました。

東京の高級住宅街の中で、次に住む街として目黒を選んだ理由はなんでしょうか?

さん(以下 : 当時住んでいたところより広い家を探していました。初めは白金付近のマンションを見ていたのですが、100㎡を超えると価格も上がってしまう。私の意見ですが、倍の200㎡の広さだったとしても一戸建ての方がマンションより高くないことに気付いて。ただ、それくらい広い土地は、土地の細分化が進む港区で探すのはなかなか難しい。もしかしたら目黒区では見つかるかもしれないと思い、出会ったのが今の場所です。

もうひとつ、この街に住む決め手になったのは、道幅が比較的広いことです。この周辺だと住宅地の中へ進んでいっても道幅が6メートルほどある。私は仕事でもプライベートでも車移動が多いので、たとえば、家の前の道にロールスロイスでも入っていけるかどうかがその土地を買う決め手になります。

M:港区だと、ちょっと大きい車だと入っていけないとか、切り返しができないとか、すれ違うことが難しいとか、道にストレスを感じることがある。でもここは区画がとてもきれいです。道路がしっかりしているから見通しがよく、遠くに歩いている子どももちゃんと見える。運転していて怖さを感じることが少ない気がします。車での移動が多い人や子育て世代にはとてもいい場所だと思いますよ。

碑文谷周辺の目黒通りには、左から「マセラッティ」「ボルボ」「メルセデスベンツ」「プジョー」といった高級車ディーラーが並ぶ。

バスを利用すれば駅まではすぐ

日常では車を使うことの多いMさんですが、電車を利用する際にはどうされているのでしょうか。

M:目黒って、駅までの距離を考えると交通の利便性はあまり良くないんですよ。『駅まで徒歩何分ですか?』と聞かれても『歩くことはないですね』と答えるしかない。もし歩くとしたら、場所によっては最寄り駅までは20分以上かかるかもしれません。

でも、目黒周辺はバスがとても充実しているから、駅までの距離は気にならないのが特徴だと思います。バスと聞くと不便な場所だと思われるかもしれませんが、目黒に住むとこれまでのバスの印象が大きく変わりますよ。

下目黒は各国大使館も多く、バス停には「BUS」という可愛らしい青看板が。

目黒通り沿いだと、バスは3分に1本くらい通っています。だから、時刻表を全く気にせずにバス停に行っても、バスが待っているし、次のバスも見えている。そんな場所です。そしてバスに乗ってしまえば、あっという間に駅に着きます。バスは子供の通学にも便利ですよ。

遠くに出かけるにもアクセスが良いですね。目黒から電車で10分の品川に出れば新幹線が利用できます。高速のインターチェンジも近く、羽田までは車で40分くらい。気軽に遠出ができていろいろな経験が積めるのは、豊かな暮らしを実現するひとつの方法なんじゃないかなと思います。

日常の買い物や食事は車で

日常の買い物はどうされていますか?

M:車で出かけることが多いので、スーパーマーケットも駐車場があるところを選んでいます。なので、広尾にある「明治屋」や碑文谷にある「イオンスタイル碑文谷」によく行きますね。

武蔵小山まで15分くらいかけて歩いていくこともありますよ。子どもと話をしながら歩くとその距離もあっという間です。「パルム商店街」は下町っぽさも味わえて楽しいですね。

お食事をされるときは?

M:食事も車で行くことが多いので、近隣のホテルをよく利用しています。目黒駅近くの「ホテル雅叙園東京」、恵比寿にある「ウェスティンホテル東京」、白金台の「シェラトン都ホテル東京」などです。恵比寿も白金も近いですよ。
カジュアルに食事をしたいときは、中目黒や目黒駅周辺にも行きますね。目黒駅周辺には定食屋がたくさんあります。

目黒は、ホテルもあるし話題のレストランもある。さらに気軽に入れるような店もある。シチュエーションに合わせて選ぶことができるのが魅力的ですね。

子どもが子どもらしくいられる場所

子育て世代も多く住むこのエリア。実際に小学生のお子様がいらっしゃるMさんは子育てをする環境としてどのように感じていらっしゃるのでしょうか。

M:街中を歩いていると、空手胴着を来ている子や自転車に乗っている子ども達をよく見かけます。子どもたちが当たり前のようにそこで暮らしている風景は、実は都心だとなかなか目にすることはありませんよね。このあたりは、都会の中でも子どもが子どもらしくいられる場所だと思うんです。近所の人はそこに長く暮らしている方が多く、顔見知りなので安心感もあります。かといって、気取った感じも閉ざされた感じもない。

家の近くには「林試の森公園」があって、子どもとよく歩いて行きます。そこでカブトムシを捕まえたので、虫かごに入れて自宅のテラスで飼っていたのですが、数日後そのかごの上にさらに大きなカブトムシが留まっていて。子どもは大喜びでした。

「林試の森公園」では、遊具で遊ぶ子どもや愛犬と散歩をする人、ランニングを楽しむ人などの姿がよく見られる。

野生のカブトムシが飛んでくるほど、自然が身近な環境。それが都内にあるということに驚きます。自然や生物との触れ合いは、子どもにとって貴重な体験となりそうです。

休日はどのように過ごされていますか?

M:車で遠出することもありますが、近場で過ごすときは碑文谷のゴルフ練習場によく行きます。個室を予約して子どもと一緒にゴルフの練習をすることもできるんですよ。家族で行くことも多いので、終わったら近くでランチをして帰ります。とても充実したオフの日が楽しめますよ。

目黒は、大人の趣味から家族と一緒に過ごす楽しみまで、やりたいことが全て近い場所でできてしまう。そこも魅力のひとつなのでしょう。

碑文谷5丁目にはゴルフ練習場「スイング碑文谷」がある。近くにはゴルフショップも。

仕事と家。自然に切り替えができる街

――目黒はどんな街だと感じますか?

M:以前住んでいた白金に比べて、目黒での生活はより肩の力を抜くことができる気がします。街中に自然が多いからでしょうか。街全体にリラックス感があると思います。都会の暮らしは“職住近接”とよく言いますが、“職” と “住” がちょっと離れている感じがする。目黒駅は交通の利便性がとても良い駅ですけれども、そこから少しだけ離れることで生活にもゆとりが持てるのかもしれません。

碑文谷にある「碑さくら通り」は春になるとソメイヨシノの並木道になる

M:あまり知られていないけど美味しいご飯屋さんってありますよね。お気に入りだから『本当は誰にも教えたくない』というような。それと一緒で、このエリアは実はとても暮らしやすいので『たくさんの人に知られたくない』という気持ちもあります(笑)。
住んでみて初めてわかったことですが、知る人ぞ知るという場所だと思います。駅からは少し離れているけれども実は利便性が良く、東京にいながら家族と共にゆったりと暮らすことができる。そういうところがとても気に入っています。


いかがでしたでしょうか。
仕事から離れて素の自分へ戻れる、緑豊かで静かな住環境が整う場所。都心からアクセスが良く、移動にも便利な場所。そしてもちろん、華やかな暮らしも愉しめる場所。この3つが全て揃うのが「下目黒」「目黒本町」「碑文谷」エリアです。
都会にいながら自分らしい暮らしがしたいなら、あなたが選ぶ街はここ目黒なのかもしれません。

Text by Eiko Yanagibori
Photos by Taichii Sakamoto , Eiko Yanagibori
         

MAIL MAGAZINE

   

こだわりの住空間やライフスタイルを紹介する特集、限定イベントへのご招待など、特典満載の情報をお届けします。

JOIN US

ベアーズマガジンでは記事を一緒に執筆していただけるライターを募集しています。

   
ページの先頭へ戻る
Language »