Private View vol.1 後編「引き算のリノベーション」

2022.03.18

都心の高台に佇む昭和39年築のマンションにお住まいのご夫婦、編集者の堀川正毅さん、PRプランナーの早保子さんのご自宅にお邪魔しました。

前回は、お二人がどのように今のご自宅を見つけられたのか、2人の中でのプライオリティはどんなことだったのかなど、理想の暮らしと出会うまでを伺いました。

今回は、お二人の暮らしに合わせたリノベーションのこと、生活を共にしているアートのことなど、自分の時間を豊かにするためのコツを伺っていきます。

元を活かしたリノベーション

──こちらのお部屋をはじめて内見した時は、どの程度改装されていたのですか?

堀川早保子さん(以下 堀川):前のオーナーは、海外からの旅行客用の民泊仕様にリノベをしたと言っていました。でも、このマンションは、その後民泊禁止になってしまったので、手放すことにしたそうです。リビングの中心でもあるステンレスの大きなドイツ製キッチンは既に備え付けられていました。

これは既存のものよりもかなり大きいのですが、広々使えるのでとても気に入っています。それから、写真集などを置いている棚も付いていましたが、色は自分たちで塗り替えました。

左:愛用の木。キャンプで行った山梨から拾ってきた、小さな木の塊を足台にするのが、一番楽な姿勢になるので、座るときは欠かせないとのこと。右:自分たちで黒く塗った棚にはお気に入りの写真集たちを。

──では、あまり大きく改装をしていないのですね

堀川:そうですね。大きなところでは、天井は強度を強くしてダウンライトを埋め込み、壁は一面剥がしました。剥がしてみたらこの白い壁が出てきたので、これはそのまま活かしました。この小さな穴も活かしてみました。笑

剥がした壁の後に現れた白い壁の穴をそのまま活かし、神様のような小さなオブジェを入れている。

──前のオーナーさんがリノベーションした良いところは残し、自分たちの住み心地の良いようなエッセンスを加えた、という感じですね。

堀川:そうですね。我が家は友人を招くことが多いので、リラックスして過ごしてもらえるように、シンプルに色数が少ないインテリアにしています。よく飲む友人が多いので、キッチンの上にはグラスハンガーをつけて、グラスを取り出しやすくしました。グラスラックは、ちょっと憧れでもあったんですよね。笑  話しながら準備ができるこのキッチンは、とても使い勝手が良いんです。元々備え付けられていたのがラッキーでした。ただ、キッチン収納は少なかったので、一番奥に大きな棚を作ってもらいました。

シルバーと白で統一された使いやすそうなキッチン。

絶対につけたかったというグラスハンガーは15脚以上おさまる大きなサイズ!

住み心地を格段に上げるアートのこと

堀川:うちはメゾネットで玄関が下の階にあるのですが、ドアも黒なので、階段と手すりはベージュから黒に塗りかえました。階段の踊り場には、ロンドンでイラストレーターとして活動している姉の絵を飾っています。

モノトーンの階段スペースに映えるアート。

堀川さんの姉Natsuko Sekiさんの作品

こちらも、日本の庭木について描かれたNatsko Sekiさんの作品。メイドインジャパンで且つハンドメイドであるイギリスのガーデン用品ブランド「Niwaki」のために描かれたものです。

──お姉さんの作品の中から、これらを選んだのは何か理由がありますか?

堀川:階段スペースの絵は引っ越しの際に姉がプレゼントしてくれた作品です。私がもともと大好きな「A Walk Through Traditional Crafts」という3つのイラストが連なった作品からアレンジしてくれました。そうですね。姉の作品はドローイングと写真をコラージュしているのが特徴で、遊び心ある表現にいつもワクワクさせられます。美大出身の母の影響か、彼女の色使いは独特で美しく、どの部屋でもとても華やかに、そして温かく存在してくれます。

有名だから、高級だから、歴史が深く価値があるからではなく、自分の暮らしの質を少し豊かにしてくれるアートとは、その人が日々の生活の中で大切にしているものと照らし合わせ、自分の価値観でセレクトしていくこと、それが、自分を大切にすることではないでしょうか。そこから、居心地の良い日々に繋がっていくのだと思います。

Text by Hisako Namekata
Photos by Mitsuo Yamamoto
         

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