約37㎡のリノベーションコンパクトハウス
「空間のコンセプトと構成に迫る」

2022.08.12

凛とした空気が漂う “文京区白山エリア” に、BEARS社が手がけたコンパクトなリノベーション戸建てが完成しました。この連載では全3回に分け、その魅力に迫っていきます。 

 

第1回目では物件が建つ “文京区・白山エリア” の歴史や街についてご紹介しましたが、いよいよ今回から物件のコンセプトや内装デザインに迫っていきます。

 

連載の第2回、3回では、設計・施工を担当してくださったディシディア・ワイム株式会社の小柴さん、青木さんにお話を伺いました。

 


ディシディア・ワイム株式会社

「快適な空間をお客様に提供し、日々の健康な生活環境づくりに貢献する」という経営理念を掲げる企業。創業以来マンションギャラリーの設計施工で多くの実績を築き、近年では住宅・オフィス・店舗など様々な新築・改修も手掛け、デザイン提案から設計施工までワンストップで工事を行う。社会の変化や環境やニーズの変化に敏感になりながら一人ひとりがわくわくできるような未来を創造し、“オモイをカタチにするをモットーにしている空間づくりのプロ集団。M&Aによりグループ内で複数のソリューションを持ち多角的に事業を進めている。

 

チーフディレクター:小柴さん ディレクター:青木さん アドバイザー:倉田さん


 

Q.本物件の主なテーマとコンセプトは?

 

外観

 

小柴さん:都会のコンパクトハウス(※)ということで、住宅街の中にあってパッと目を引くデザインを意識しました。グレイッシュで個性的な外壁や、特徴的なFIX窓(開閉できない一枚ガラスの窓)でコンセプトを表現しています。

 

また “隠れ家のような居心地の良い空間” 、“丁寧な暮らし” や “自分らしく暮らす” というコンセプトもあり、室内の様々な箇所に暮らしやすさ等を考え、こだわりを散りばめました。

 

(※)コンパクトハウスとは?

コンパクトハウスとは、「小さい家」のこと。明確な定義はないが、一般的には、延床面積30坪未満の住宅をこう呼ぶことが多い。近年、利便性の観点から都市部の狭小地に建てたり、DINKSや高齢者夫婦、シングル世帯などが積極的にコンパクトハウスを選択するケースも増えてきている。

−––株式会社リクルート SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典より引用

 

Q.どのような想いを持ってリノベーションを行った?

 

小柴さん:元々住まわれていた方が古い本や調度品を大切に保管し、物を大切に丁寧な生活をされていて、“愛着のあるお家だったんだな” という印象を解体時に受けました。

 

その想いを引き継ぐように、表層だけ綺麗にするのではなく、少しでも長く快適に生活できる住宅にしたいと考えました。

 

Q.デザインするにあたって難しかったことは?

 

2階吹き抜け


小柴さん:既存のまま残してほしい箇所のご希望をいただいたため、デザインの方向性を検討するのは難しくはなかったです。

 

青木さん:しかし築55年かつ狭小住宅なので、予想以上に工事費がかかってしまうのを予算内に収めるという点は苦労したポイントかもしれません。例えば過去に何度も改修している形跡を、どこでどのように綺麗に見せるかという試行錯誤を繰り返しました。

 

また床面積を減らして吹き抜けをつくることになりましたが、結果当初イメージしていた明るく過ごしやすい空間になったと思います。

 

Q.テーマカラーとその理由は?

 

リビングダイニング

 

小柴さん:ブラックやグレーを基調としたモノクロと、木目のナチュラルな色味をテーマにしました。

 

ブラックやグレーでは “都会のシンプルさ・無機質さ” を表現しましたが、それだけでなく、住まう方に居心地よいと感じていただけるよう、温かな木目をプラスした感じです。

 

Q.こだわりのポイントは?

 

左:イサム・ノグチ作の “AKARIシリーズ” のペンダントシェードが際立つ吹き抜け / 右上:床段差をつくり、大人の隠れ家のようなリビング空間 / 右下:自由にスペースを使用できる為、ライフスタイルに合せてカスタマイズ可能なベットルーム

小柴さん:限られた専有面積でも快適にお過ごしいただけるよう、様々な点で工夫を凝らしました。

 

ひとつは、1階にあるリビングダイニングの “空間の広さ” です。

食事をとったり人が集まる場所のため、こじんまりとしていながらも、掘り込みを作ることで “縦空間” を高くとれるようにしました。

 

もうひとつは、1階と2階を繋ぐ吹き抜け部分です。

コロナ禍で在宅ワークが増えていることもあり、吹き抜けに沿って幅広なデスクを造作し、書斎としてご使用いただけるようにしました。また日中は電気を点けなくても玄関に自然光が降り注ぎます。

 

青木さん:それに加えて、2階のベッドルームにもこだわりました。

あえて収納等は造らず、棚を置いたり、見せる収納でおしゃれに飾ったりと、自分好みに空間をアレンジしていただけます。

 

Q.どんな方々に、どのような暮らしを送っていただきたい?

左:玄関から見た1階フロア / 右:階段側から見た2階寝室フロア

小柴さん:“少しでも長く生活できる住宅にしたい” という想いでリノベーションを行ったため、同じ想いを持った方や、物を大切に、丁寧な暮らしが送りたいと考えている方に合った住宅だと思います。

 

当初、おひとり暮らしやカップルでの暮らしを想定していましたが、ご家族にも検討していただける間取りになればと思い、リビングや2階の寝室を広くとるよう設計しました。

 

次回は間取りや内装のディテールをご紹介

 

いかがでしたか。

 

今回は “文京区白山エリア” に建つ本物件について、外観や空間構成、コンセプトについてお伝えしました。

このエリアには賃貸マンションが多く、これだけコンパクトな戸建ては珍しいのだそう。 “床面積約37㎡のコンパクトハウス” ではありますが、つくり上げる際にはこれだけ沢山のこだわりや想いが込められていたんですね。

 

次回は本物件について、さらに詳細な内装のこだわりや素材についてお伝えします。どうぞお楽しみに。

Text by Misaki Matsumoto
Edit by Ayako Isetani
Photos by Mitsuo Yamamoto, Fumiko Nakayama
         

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