約37㎡のリノベーションコンパクトハウス「彩りを添えるディテールたち」

2022.09.02

凛とした空気が漂う “文京区白山エリア” に、BEARS社が手がけたコンパクトなリノベーション戸建てが完成しました。この連載では全3回に分け、その魅力に迫っていきます。 

 

連載の第1回目では物件が建つエリアの魅力を、第2回目では物件のコンセプトや構成についてご紹介しましたが、今回は内装のこだわりや素材について、物件のさらなる魅力をお伝えします。

 

前回に引き続き、設計・施工を担当して下さったディシディア・ワイム株式会社の小柴さん、青木さんにお話を伺いました。

 


〈ディシディア・ワイム株式会社〉

「快適な空間をお客様に提供し、日々の健康な生活環境づくりに貢献する」という経営理念を掲げ、オフィスや商業施設、住宅など様々な空間に対し、「あふれる夢を形にする、空間づくりのプロ集団」として、多様性のある空間づくりや、洗練されたデザイン提案力、ワンストップソリューションを企業ビジョンに掲げている。マルチな用途に対応、ワンストップサービスによるコスト削減、幅広いネットワークにより全国どこでも、高品質なサービスを提供する企業。

 

チーフディレクター:小柴さん ディレクター:青木さん アドバイザー:倉田さん


 

Q.IoT採用の理由は?

手軽に持ち運べるコンパクトサイズのスマートライト形プロジェクター(Aladdin Vase)。エンタメ、ヘルスケアなど数十種類のアプリや、入眠効果を促すスリープモードをはじめとする5つのモードを楽しめます。

青木さん: “居心地の良い空間” や “自分らしく暮らす” というコンセプトを実現するために取り入れました。

 

住み心地の良さや生活のしやすさに繋がる大切な要素だと考え、住まわれる方が何を使うか、何をしたいかによって、Wi-Fi環境があればライフスタイルに合せてカスタマイズ可能なスマートハウスをつくりました。

 

Q.リビングダイニングのこだわりは?

 

青木さん:“大人の隠れ家” や “秘密基地” をイメージし、床に掘り込みをつくることで、おこもり感や空間に包まれるような居心地の良さを表現しました。

 

Q.キッチンが大きい理由は?

 

 

小柴さん:当初はコンパクトなものを検討して打合せを重ねていましたが、生活することやコンセプトである “丁寧な暮らし” “自分らしく暮らす” ことを踏まえ、収納スペースを設けた実用的な大きさのキッチンを採用する運びとなりました。

 

コンパクトハウスや単身者用の住宅では通常キッチンも狭く、なかなか調理する気になれないものが多いように感じます。

 

一方で、時代はコロナ禍。在宅ワークの普及により自炊する機会が増し、キッチンの充実を望む方の数も増えました。作業スペースの広さや充実した収納の確保が、住宅購入の判断基準として優先順位が高まっている気がします。

 

 

Q.浴槽を取り払った理由は?

 

小柴さん:1階の居住空間を広く確保するためです。

 

浴槽があった方が良いという方も多いですが、最近はサウナブームの影響や、スポーツジムでお風呂を済ませる方も増えているため、思い切って “シャワーだけ” という選択に至りました。

 

Q.シャワー水栓を変えたのはなぜ?

 

 

小柴さん:既製品のシャワーユニットは選択肢が少なく、コンパクトなものはシンプルで意匠的な特徴のないものばかりでした。

 

デザイン性で差別化を図りたいと考えたため、こちらのモダンなシャワー水栓を見つけてご提案、採用に至りました。

 

Q.吹き抜けを作った理由は?

イサム・ノグチ作 “AKARIシリーズ” のペンダントシェードは、中から見ても、窓越しに外から見ても印象的。

小柴さん:従来の天井が張ってある状態だと日中でも室内が薄暗く感じたため、電気を点けなくても自然光が降り注ぐように設計しました。また玄関上に特徴的なFIX窓を設けることで、ファサード(外観)でも目を引くデザインとしています。

 

さらに1階と2階の空間の繋がりを大切にし、より一体感が増すよう意識しました。

 

Q.2階に洗面台を設置した理由は?

 

 

青木さん:元から洗面台一体型出窓になっていたため、それを活かす形でカウンターを造作し、洗面器を取り付けました。

 

ベットルームの近くにあるため、起きて顔を洗ったり、寝る前に歯を磨くのに快適だと思います。

 

Q.梁が古いままの理由は?

 

 

青木さん:経年でしか出せない味わいがあり、なるべくその良さを損なわないようにしたかったためです。

 

補強すると割れてしまったり欠ける心配があったため、大工さんと相談しながら四隅を補強し、上から色は重ねずに灰汁抜きのみ行いました。

 

Q.リノベーションを終えての感想は? 

 

小柴さん:“隠れ家のような居心地の良い空間” について情報収集し、予算内でより良い空間をつくれるようにメンバーで意見交換しながら進めました。

 

イメージしていたもの全てを取り入れられたわけではありませんが、木造ならではの美しさを活かした空間がが完成し、安心しています。

 

 

全3回の連載が終了

 

いかがでしたか。

 

今回は “文京区白山エリア” に建つ本物件について、第2回で語りきれなかった内装のこだわりや素材についてお伝えしました。

 

都心では珍しいコンパクトハウス。古くなったから建て替えるのではなく、前住民の方の想いや物件の持つ味わいを活かしながら、IoTなど最新の技術も導入し、いまの時代に合わせてアップデートされました。

 

また平面の37㎡と、2層で構成された37㎡とでは、空間の感じ方にも大きな違いがありました。住まいの選択肢のひとつとして、コンパクトハウスの魅力を感じていただけたようでしたら幸いです。

 

それでは、また次の取材記事もお楽しみに。

第1回「物件が建つ “文京区・白山エリア” の魅力とは?」
第2回「空間のコンセプトと構成に迫る」
第3回「彩りを添えるディテールたち」

Text by Misaki Matsumoto
Edit by Ayako Isetani
Photos by Mitsuo Yamamoto, Fumiko Nakayama
         

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