「ルイスポールセン東京ストア」で、理想の照明と出会う

2024.08.16

今年(2024年)創業150周年を迎えるデンマークの照明ブランド、「Louis Poulsen(ルイスポールセン)」。前編では、長い歴史の中で受け継がれてきた物づくりの精神と、今なお愛され続けている名作照明についてお伝えしました。今回の後編では、昨年オープンした世界初のフラッグシップストア「ルイスポールセン東京ストア」にフォーカス。ブランドの新しい展開をご紹介します。

落ち着いた雰囲気が漂う大人の街、東京・青山。近年、高感度なインテリアショップが増えているこのエリアに、昨年秋、「ルイスポールセン東京ストア」がオープンしました。青山通り(国道246号)とキラー通りの交差点に面した2フロアの店舗は、初めて訪れる人にもわかりやすいインパクトのある外観です。

二面がガラス張りになっているので、店の外からでもウィンドウ越しにさまざまな照明が並んでいるのを見ることができる。

「PH 5」がバリエーション豊かに揃う

 1階では「PH 5」を始め、アイコン的なデザインのエントリーモデルが扱われている他、エクスクルーシブな商品や新商品がフロア全体にディスプレイされています。

エントランスのドアを開けて店内に入ると、すぐ右手にルイスポールセンの代表作「PH 5」がディスプレイされていました。 この店舗には現行で入手できるカラーが全色揃っているそう。つまり、ここに来ればオンラインで見ていた「PH 5」の現物を見ながら、じっくり比較検討することが可能なのです。それだけでもわざわざ足を運ぶ価値がありますね。

このお店だけの特別な体験として、コードの色をオプションで選べるサービスもある。
壁面を飾るのは 「PH 5」 の断面図をオブジェ化したピース。

コードレスになった名作照明

有機的なフォルムとカラフルさが特徴の「パンテラ」は、1970年代に誕生した北欧照明の名作。コードのない充電式のモデルが数年前に登場したことで、いま再び注目を集めています。取り入れやすいコンパクトなサイズが人気の理由。

シェードの直径160mmの小さなモデル「パンテラ160 ポータブル」はカラーバリエーションも豊富。コードレスなので棚に飾って楽しむことができる。直径250mmの「パンテラ250 テーブル」や「パンテラ250 ポータブル」は、ベッドサイドでの読書にもちょうど良いサイズ。

今年6月には、ポール・ヘニングセンが手掛けたテーブルランプ「PH 2/1ポータブル」が登場。歴史的な名作が最新の技術で次々とアップデートされ、今の私たちの生活に馴染む製品になっているのはとても嬉しいこと。

1階奥のスペースには、アーネ・ヤコブセンが手がけた「AJ テーブル」など、フォルム的にミニマルなデザインの照明がまとめられています。

アーネ・ヤコブセン作品を中心に新旧の製品が並ぶ。

創業150周年の限定モデルが登場

今年創業150周年を迎えるルイスポールセン。通りに面したウィンドウには、アニバーサリーの限定モデル3点が並んでいました。

3点に共通しているのが、シェードのカラーリング。外側は白で内側がペール・ローズ色の塗装で統一されています。

ペール・ローズはブランドを表現するキーカラーとして、随所に登場しています。ポール・ヘニングセンが好んだ色でもあり、彼へのオマージュも込めてこの色が採用されたそう。彼とともに歩んだ、ルイスポールセンの長い歴史を象徴するカラーと言えます。

フロアを区切るパーテーションはペール・ローズ色のグラスが使われている。

ルイスポールセンの世界が広がる

続いて、フロア奥の階段を登って2階に行ってみましょう。

2階は、アイコン的なモデルのPHランプシリーズがサイズ違いでディスプレイされているのが大きな特徴。その他、ウィンドウ側の一角ではデザイナーごとに照明が紹介されています。

「PH アーティーチョーク」の全サイズが揃う他、PHシリーズのテーブルランプやフロアランプが集合。
パーテーションで分けられたスペースには、象徴的なペンダントライトがひとつずつ展示されている。
「フィボナッチ数列」を応用してデザインされたオイヴィン・スロットの「パテラ」、ルイーズ・キャンベルの「LC シャッター」など、現代のデザイナー作品も並ぶ。

これだけの照明がディスプレイされていても、全く眩しくないのがルイスポールセンの真骨頂。この空間が心地よいのは、“人の目に優しい光” を一貫して追求し続けているからこそ可能になること。ルイスポールセンが照明のトップブランドであり続けている理由がわかります。

世界的なアーティストが手がけた照明

そんな中で特別な存在感を放つ大型ペンダントがありました。現代アートの作家、オラファー・エリアソンによる「OE クワジライト」です。ルイスポールセンが初めてアーティストとコラボレーションをして製作したプロダクトとして、2019年のミラノサローネで発表され、大きな話題を呼びました。

ここで注目したいのが、照明の常識を覆す設計。このペンダントでは、光源は対峙し補完する2つの幾何学フォルムで構成されます。外側は正20面体(イコサヒドロン)の堅いアルミフレームで、その中に、白いポリカーボネートの薄片でできた正12面体(ドデカヒドロン)のリフレクターが浮かびます。光源は、幾何学形フレームの12の頂点の内側に設置されているだけで、中にあるシリコンのディフューザーが光を拡散する構造になっています。

フレームには90%再生アルミ、内部には再生可能なポリカーボネートなど、環境に配慮した素材が使われている。

オラファーのアート作品は購入のハードルが高いのが現状です。一方、ルイスポールセンの「OE クワジライト」は自宅のリビングに設置して気軽に楽しむことができる、アートピース的な照明と言えます。

照明を中心に考えた空間作りを提案

2階フロアの中央に、ダイニングテーブルが置かれているのにも理由がありました。このテーブルの上に「PH 5」など、お好みのペンダントを吊るして、お客様が高さをシミュレーションできるのです。また、フロア奥の一角ではカーテンを閉めて、光の広がり方を確認することもできます。

ショールームをご案内いただいた、ブランド&コミュニケーションチーフである新行内さんによれば「実は私たち日本人は、部屋が満遍なく明るくないと暗く感じる傾向があります。ですが、適正な照明の下では読書ができる十分な明るさがあり、食事は美味しく見えるし、テーブルを囲む人の顔も優しく見えるのです。」とのこと。そう聞くと、興味が湧いてきますね。

この場所でルイスポールセンが提案しているのは、『指向性のある照明をいくつか組み合わせて、空間の明るさをしつらえていく』ということ。では、その方法とは?

「良い照明にとっては眩しい光(グレア)が最大の障害です。視界のなかにグレアが入り込むと、部屋をくっきり見渡せないからです。また照明には、大きく分けると、部屋の領域を見せる光(アンピエントライト)と、手元を明るく照らす光(タスクライト)があり、これらに適したランプをバランス良く組み合わせると、部屋に立体感が生まれ、くつろげる「ヒュッゲ」な雰囲気が生まれます。」(新行内さん)

光のトップブランドだからこそ可能になる理想的な照明術。それが体験できるのも「ルイスポールセン東京ストア」だけの特別なサービスです。

インテリアの相談ができる専門スタッフ

さまざまなアイコンモデルが揃い、色や素材の選択肢が多いのは、ルイスポールセンの大きな魅力。しかし、一方では迷ってしまうこともあります。それを解決するために、このショップには空間に適した光を選べるよう、専門スタッフが常駐しています。

「どういうシーンで使いたいかを、最初にお伺いしています。具体的なやりとりの中で、お客様のご要望が明確になってくることも多いです。」(ルイスポールセン東京ストア ライティングアドバイザー 櫻田陽子さん)

『来店前に考えていたものより、他のモデルの方が適切だった』ということはよくあるそう。そして、さらに嬉しいのは、購入後にこんなサービスが受けられること。

「実際にお客様のお宅を訪問させていただいて、取り付けたときのテーブルの位置ですとか、インテリアのコーディネートも含めてアドバイスをさせていただいています。」(櫻田さん)

湘南の自然に合わせて、緑のグリーンと太陽のオレンジ色で「PH 5」をコーディネートした例。「お客様の価値観を深掘りしたことで、色もすんなり決まりました」(櫻田さん)

自宅訪問時には、照明をどうメンテナンスすればいいかも詳しく説明してくださるとのことなので、心強いかぎり。安心して照明を購入できる、まさに「ルイスポールセン東京ストア」だけのスペシャルなサービスと言えます。

「ルイスポールセン東京ストア」には150年の長い歴史を礎に、さらに広がるさまざまな新しい展開がありました。部屋の中での過ごしやすさを左右する照明は、インテリアの中でも、とくに重要な要素です。照明の専門家が提案する理想の住空間を体験しに、ぜひ一度「ルイスポールセン東京ストア」を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があるはずです。

DATA

ルイスポールセン東京ストア

東京都港区青山に世界初の直営フラッグシップショップをオープン。 ルイスポールセンの全ラインナップに加え、エクスクルーシブアイテムの販売を行う。明るさや設置方法をプロに相談できるほか、ライフスタイルにあわせた “照明のインテリアコーディネート提案” など直営店ならではの体験を提案している。 東京都港区北青山3-2-2  AYビル 1F・2F louispoulsen.com

Text by Hiraku Kyoko
Edit by Saori Maekawa
         

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