DAISUKI LIGHT、アメリカで歓びの受賞

2022.09.16

BEARS社が事業主をつとめた、神宮前のヴィンテージマンション「コープオリンピア」のリノベーション物件において、DAISUKI LIGHTがアメリカの権威ある賞 “IES Illumination Awards2022” の「Special Citation(特別賞)」を獲得しました。

©後藤晃人

2022年8月にはアメリカ・ニューオリンズで授賞式が開催され、DAISUKI LIGHT代表・大好真人氏と、BEARS代表・宅間が出席。こちらの記事では授賞式の様子と、本物件が評価されたポイントについて解説していきます。

授賞式の様子。左:DAISUKI LIGHT代表・大好真人氏、右:BEARS代表・宅間

“IES(北米照明学会) Illumination Awards2022” とは?

照明学の権威として知られる北米照明学会(本拠地:ニューヨーク)が主催する、照明設計を対象とした国際的な照明デザイン賞で、その専門性・創意工夫・オリジナリティを評価の対象としています。1973年から49回目を迎え、2022年は623もの応募作品がありました。

©”IES Illumination Awards”公式HP

そんな中、本物件では「Special Citation(特別賞)」を受賞。日本の作品が受賞すること自体、極めて珍しいのだそう。

大切なものを見つめる未来、そこに “寄り添うあかり”

本物件は2021年に竣工。建築設計は小大建築設計事務所(一畳十間)が勤め、照明デザイナー・大好氏とのタッグによって誕生しました。

日本におけるヴィンテージマンションの先駆けとしても有名な「コープオリンピア」。その最上階、約120㎡のメゾネット住戸が舞台。BEARSが希望したコンセプトは “未来を感じる住まい” 。

©後藤晃人

それを受け打ち出されたのが、日本らしい “おもてなしの精神”。SF映画のような近未来感ではなく、女将が迎えてくれ、さりげない気配りが隅々まで行き届いているような旅館での体験。いままでも、そしてこれからもずっと変わらないであろう、日本の精神性がテーマとなっています。

室内では自動で優しくあかりが灯る仕掛けを各所に配置。それらはまるで “おかえりなさい” 、 “お疲れ様” と、あかりが住まう人に語りかけているかのようです。

©後藤晃人

建築の骨格となるプランや素材構成の大枠は設計士が決定。そのイメージと構想の共有を受けたあと、打ち合わせを重ねながら照明のコンセプトを立案。実際に小型の模型を作成し、あかりの灯り方をシミュレーションしたのだとか。

左:完成した空間 ©後藤晃人、右:照明計画検討中に作成した模型

特に印象的なLDKの真円の天井は、建物の構造条件を確認したのち、大好氏が提案したもの。

大きな月を思わせる優しい光。天体をモチーフにした形は日本精神の象徴の形。欠くことでそのイメージを豊かに想起させています。

審査員の反応、そして大好氏歓びのコメント

審査員からは 『コンセプトが日本らしいユニークな形で表現されている』そして『現代のテクノロジーをうまく利用しながら “おもてなし” の光が表現されている』点が好評だったとのこと。

大好氏の授賞式でのスピーチは、以下のような内容でした(一部抜粋)。

私は2020年の4月に自分の会社を設立いたしました。そう、残念なことにちょうどCOVID-19が世界中に広まりロックダウンが始まったタイミングでした。自由に外に出られない、人に会うことができない、スタートから家の中に閉じこもる非常に難しい時間を過ごしました。

一方、だからこそ、世界中の誰もが、自分たちの暮らし方を改めて見つめ直すきっかけになったタイミングとも言えます。そんな中、幸運にもこのプロジェクトに巡り合え、みんなが暮らしのことを真剣に考えたからこそ、このような素晴らしい空間ができあがったのだと考えます。

本日この舞台に立てたのは、住宅というとても小さな空間にも注目して頂けるような、特別な環境があったからかもしれません。照明デザインによって、明るく、楽しく、癒しをくれるような暮らしをこれからもデザインしていきたいと思います。

左:DAISUKI LIGHT代表・大好真人氏、右:授賞式当日に手渡された表彰状

住空間に止まらず、店舗の照明計画なども手がけるDAISUKI LIGHT。今後もその活躍から目が離せません。

DATA

大好 真人

照明デザイナー
https://daisukilight.com/

1983 / 茨城県生まれ
2008 / 東京理科大学大学院修士課程修了
2008 / LIGHTDESIGN INC.

大規模再開発事業、空港、音楽ホール美術館、ホテル、住宅など国内外の100をこえるプロジェクトに携わる。病院や葬祭場など、張り詰める場の照明設計を通して人の心に作用する光を見つめなおす。

2020 / DAISUKI LIGHT inc.設立

「Light Up Our Lives」─光はわたしたちを明るく生き生きとさせてくれるもの─を信念に、人の心に寄り添う光のデザインを提案している。

Text by Ayako Isetani
Photos by Goto Akito, Masato Oyoshi
         

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