インテリアの見本市「ミラノ・サローネ2025」訪問記・照明編

2025.06.27

世界最大の家具の祭典「ミラノ国際家具見本市」、通称 “ミラノ・サローネ” が今年も4月に開催されました。コロナ禍の時期を除き、毎年取材に訪れているBEARS編集部も例年通り現地へ。イベントのハイライトをこれから3週にわたってお届けします。

ハイエンド家具の動向を肌で感じる機会

新作発表はもちろん、トレンド発信の場となっている “ミラノ・サローネ”。世界中からインテリアと建築の関係者が訪れます。BEARSはハイエンド家具界の動向を直接肌で感じることで、日本の住まい領域や空間づくりをリードしていきたいという想いから視察を続けています。

今年のミラノ・サローネは、入場者数が約37万人と過去最高を記録した昨年から一転。13%減少したと伝えられています。その理由の1つがホテル代など諸経費の高騰。また以前は比較的自由に視察できたのが、予約制を導入するブランドが増えたことも影響しているのかもしれません。

そんな中、弊社は幸運にも希望のブランドを網羅することができました。4日間の滞在で事前のアポイントとスケジューリングがスムーズに運んだのは、関係者の方々のご協力があったからこそ。この場を借りて、心より感謝の意を表明させていただきます。

照明の見本市「エウロルーチェ」

では、本題に入りましょう。ミラノ・サローネは毎年開催される家具展示の他、キッチン関連と照明の展示が隔年で行われます。今年は照明の年[*]だったので、まずはそこからご紹介していきます。

*メイン会場のロー・フィエラミラノにて「Euroluce(エウロルーチェ)国際照明見本市」が隔年で開催されている。

Barovier&Toso

「Barovier&Toso(バロヴィエール&トーゾー)」は、ムラーノガラスの老舗照明ブランドです。新作はアーティチョークをかたどった、直径約1メートルもあるペンダント。通路の天井に複数のライトを吊るした演出もダイナミックで迫力がありました。リチャード・ジノリとコラボレーションしたスタンドライトは、テーブルの上にあるだけで可愛らしい!

bomma

「bomma(ボマ)」はチェコ共和国の照明ブランド。伝統的な手吹き製法で1点1点仕上げられるクリスタルガラスがアートピースのような美しさ。光り方や色がとても素敵です。

HENRI BURSZTYN

2014年にフランスの建築家アンリ・ブルシュティンにより設立されたブランド。LEDを専門とし、従来の照明とは一線を画した “輝くオブジェ” とも言えるプロダクトを開発しています。

ST Louis

フランスの由緒あるクリスタル工房「ST Louis(サンルイ)」。日本では麻布台ヒルズにショップがあり、エルメスの店舗にも採用されています。会場の壁はハンドペイントで立体的に装飾が描かれた布で構成されていて歴史の古いブランドながら若い世代にも響きそうなユニークな演出でした。

PRECIOSA

「PRECIOSA(プレシオサ)」もチェコのブランド。創設は1724年と古く、マリア・テレジアが戴冠式に採用した壮麗なクリスタルシャンデリアで、世界的に知られています。格式の高さはそのままに、近年はぐっとモダンなスタイルに進化。パーツと色を選んで自由に造形できるので、空間デザインのイメージが広がる。そんな可能性を感じました。

今年のエウロルーチェ全体を通して言えるのは、空間を多灯吊りで演出しているブランドが多かったこと。今後トレンドになっていきそうです。

次回の家具編ではハイエンドブランド6社をご紹介。メイン会場での特別な展示や、自社ショールームでの趣向を凝らしたプレゼンテーションをレポートします。

Text by Kyoko Hiraku
Edit by Saori Maekawa
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