チャレンジを続けるトップランナー「コンフォート」

2022.11.18

品質の高さはもちろん、先進的な視点、そしてチャレンジを続ける姿勢といった社風も含め、高級建材業界のトップを走る「コンフォート株式会社」。話題になる高級分譲マンションだけでなく、5ツ星ホテルにも次々と商品が採用されるなど、今や日本のラグジュアリー物件にとってなくてはならない会社とも言えます。

BEARS社も、自社でリノベーション物件を手掛ける際はコンフォート社の建材を多く採用。スーパーゼネコンや一流ホテルからも圧倒的な信頼を勝ち取っているこの会社の魅力、そして実力の裏側について、専務執行役員・営業本部長の今井 誠さんにお話を伺いました。

「シーザーストーン」の上位クラス “スーパープレミアム” ラインに、手で触れる。『大理石より、つるっとした触感ですね』

高級輸入住宅を扱う会社としてスタート
“本物” にこだわりを持つ建材メーカーとして成長

宅間:弊社が取り扱う物件は、1億円から高い場合は5億円くらいのものもあるのですが、そういった物件のリノベーションをする場合、使用したいと思う建材はほとんど御社の商品なんです。おかげさまで物件の完成度が非常に高く、いつも感謝しております。

今井:ありがとうございます。

宅間:改めて伺いますが、コンフォート社の成り立ちを教えていただけますか?

今井:創業者の佐藤和也は大手建設会社で現場を経験し、その後大手マンションデベロッパーに転籍。デベロッパーとしての経験を積み、その後総合商社で建材を扱いまして、33歳のときに弊社を立ち上げました。当初は外国人向けの高級輸入住宅も扱う会社だったのですが、その後、輸入建材をいわゆるマンション事業に販売できないか……ということが、我が社のスタート地点です。

宅間:なるほど。具体的にはどんな建材を扱っているんですか?

今井:先程申し上げたように最初は輸入建具から始まったのですが、現在は殆どの商品が国内製造・国内仕様、という形になっています。今のポートフォリオ・売上げの40%くらいを占めるのが木製建具です。

木を中心に自然素材を使いながら、“本物” にこだわりを持って製造する、というのが我が社の特徴ですね。そのあたりが、BEARS社さんが追求されている “本物” という価値観とマッチしているのかなと、勝手ながら思っております。

左・BEARSが手掛けたリノベーション物件。洗面台のカウンターに「シーザーストーン」を使用。/右・同物件ではキッチンカウンターにも「シーザーストーン」を採用。

宅間:おっしゃる通りだと思います。一方で、「Caesarstone(以下シーザーストーン)」という建材が非常に伸びているとも伺っています。

今井:はい。約10年ほど前から輸入している素材で、天然鉱石のクオーツが90%以上、そこに樹脂や顔料を加えてつくる人造石です。天然の大理石や御影石に比べるとメンテナンスがとても楽で、しかしクオリティは遜色がなく、デザイン性も高い。当初のスタート時より、出荷数は25倍くらいまで伸びてきていますね。

宅間:素人考えですと “天然素材のほうが質が高いのでは” と思ってしまうのですが、そのあたりはどうなんでしょうか?

今井:もちろん天然には天然の良さがあります。唯一無二の柄であったり、また熱にも強く、1500℃くらいまで耐えられます。しかし天然の石には表面に小さな穴がたくさんあるので、そこに水が染み込むことで目に見えない菌や汚れが発生する。実はケアが大変なんです。一方「シーザーストーン」は天然石に比べると、ほぼ水を吸い込まないので、水回りには圧倒的に強い。

宅間:ちなみに価格は…

今井:ものによっては、天然石よりも高いです(笑)

ショールームにある、「シーザーストーン」を使ったモデルキッチン。シャープなラインが美しい、モダンなデザインが魅力的。

宅間:まさに新しい価値ですね。具体的には、どんなふうに使われることが多いのでしょうか?

今井:人気なのはキッチンですね。都内のとある高級マンションで、建具・収納・キッチンの一部をすべて弊社の建材で組ませていただいたことがあったのですが、そこの最上階のキッチンに「シーザーストーン」を採用いただきました。素材として提供し、ドイツの有名キッチンメーカーがデザインを考え、アッセンブルしたという。

宅間:それですと、どのくらいの価格になるのでしょうか?

今井:キッチン1セットで、1,000万円くらいです。かつてキッチンは壁に囲まれ独立した “裏方” というようなスペースでしたが、今はリビングの中の目立つところに配置したいという方が増えていて、どんどんこだわりが強くなっている印象です。

宅間:確かに、私もキッチンはインテリアの一部として捉えていました。お金をかけるバランスが変わってきていますよね。

キッチンカウンター、隣の収納棚カウンターに「シーザーストーン」を使用。
リビングダイニング、洋室(ベッドルーム)に「Raiki(雷切)」を入れた、こちらもBEARSが手がけたリノベーション物件。

5ツ星ホテルで採用されることが増加
イタリア人デザイナーをも唸らせる、建材の質の良さ

宅間:分譲マンション以外で何か最近の実績をご紹介いただくとすると、どんなものがありますか?

今井:障子や襖といった日本の建材を取り扱う大阪のメーカーとともにつくっている「Raiki(雷切)」というガラスドアとガラス収納システムがありまして、こちらが、2023年春・八重洲にオープンする5ツ星ホテルの全室に入っています。他にも、楡(にれ)という木材を使った建具・壁パネル・フローリング、すべてうちの建材を使っています。

宅間:5ツ星ホテルの全室ですか! それはすごい。

今井:ちなみに、そのホテルはイタリアの世界的デザイナー が手掛けたのですが、彼は最初、イタリアの有名ブランドをプッシュしていたらしいのです。しかし品質と、万が一不具合が出たときの修理について考えたとき、国産品の「Raiki(雷切)」に軍配が上がったようです。

宅間:素晴らしいですね。

今井:他には、10月にオープンした静岡のラグジュアリーホテルでも、「Raiki(雷切)」とフローリングを採用していただきまして。最近は5ツ星ホテルで使っていただくことがとても増えている印象があります。

宅間:ガラスと細いアルミフレームの組み合わせが、とてもモダンで美しいデザインですよね。

取材中に偶然代表の佐藤和也さんに遭遇。旧知の仲だそうで、思わず会話が弾む。

職人魂を持つ “棟梁の集団” のような会社
高品質を保ちつつ、チャレンジし続けたい

宅間:お話を聞けば聞くほど、高級建材を取り扱う会社の中で、御社の評価が非常に高いことを改めて実感しました。

今井:建設会社、デベロッパー、そして商社という3つのフェーズを歩いてきた創業者の佐藤にとっては、日本の建物づくりというのは “本物” を逸脱している印象がある、と。コストなどさまざまな要因があるのは理解はできるけれど、やはり海外の質のいい商材を扱ってきた佐藤からすると、もっと “本物” にこだわりたいし、その “本物” を使った住空間を作り、『沢山の人に豊かな暮らしを送ってほしい』という気持ちがずっとあるんです。弊社の仕事の源は、そこなのではないかと思っています。

宅間:御社が考える “豊かさ” とはなんでしょうか?

今井:いろんな意味がある言葉だと思います。住んでいる人たちの笑顔が増えれば、そこは豊かな住空間ですし、また弊社の建材が昔の大黒柱のように、思い出を刻むなにかになってくれるというのも『豊かだな』と思います。うまく言えないですが……人生の本質的なことなのではないでしょうか。

ショールーム内の「シーザーストーン」展示空間

宅間:それにしても、多くの建材メーカーがある中で、なぜ御社はこんなに素晴らしい実績を積み重ねることができるのでしょう。その理由を、ご自身ではどう分析していらっしゃいますか?

今井:1つは『お客様のオーダーメイドに答えられるノウハウを持っている』ということでしょうか。弊社は60人くらいの小さな会社なのですが、実はそのほとんどが中途入社で、扱っている建材ごとの選りすぐりのプロが集まっているんです。

建具なら建具、石材なら石材など、その道を極めた職人魂を持つ人たちの集団といいますか(笑)。『お客さんに喜んで欲しい』、『要望に答えたい』という気持ちは、どこよりも強いと思いますし。そしてもう1つは、スーパーゼネコンが認めてくれる品質の高さ。この2つが大きいのでは、と思います。

宅間:スーパーゼネコンが求める品質を担保するというのはかなり難しいですよ。それに毎回答えている御社は、すごいと思います。

今井:そうですね。例えばデザイナーさんはいろんなことにチャレンジしたいゆえに、さまざまな要望を出すのですが、ゼネコン的には『そんなことはやったことはないし、無理』と断りますよね。ただ、『コンフォート社が品質を保証するなら、やってもいいですよ』と言っていただくことが少なくはない。弊社の品質を信頼してくれているという意味で、非常に嬉しいですね。

宅間:変わり続けるこの世界で、コンフォート社として今後の住環境はどうなっていくと思いますか? また、どんなことにチャレンジしていきたいですか?

今井:経済状況も刻々と変わる中で、私達は今後も高級ゾーンをマーケットとしてしっかり掴んでいきたいです。そしてお客様に対しては、常にサプライズを起こしていきたいですね。そのためには、新しい商品の開発も不可欠です。最新技術に対し、私達が扱っている建材がどんな役割を果たせるのか、どんな仕掛けができるのか。そのあたりが次の課題だと思っています。

宅間:いろんなことにチャレンジし続ける。素晴らしいですね。スーパーゼネコンや、それこそ世界的デザイナーから求められるクオリティにも応えていく。そこがモチベーションでもあるのでしょうね。

今井:『無理難題に応えたい』、そういう欲求を持っている社員が多いのかもしれません(笑)。それを乗り越えた瞬間こそが、この仕事のやりがいなのではないか、と思います。

DATA

佐藤 和也

コンフォート株式会社 代表取締役
一級建築士
https://www.comforthousing.co.jp/

建築系の大学を卒業後、大手のゼネコン・デベロッパー・総合商社での勤務を経て、1996年に設立。
洗練された上質建材の販売、事業建物、一般住宅の企画・設計・施工を通じて、「豊かな住環境の創造」をテーマに、ユーザーの皆様とよりよい住まい創りを目指しております。

Text by Yuki Kono
Edit by Ayako Isetani, Misaki Matsumoto
Photos by Mitsuo Yamamoto, Fumiko Nakayama
         

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