「コンフォート」プロが語るこだわりの一級建材

2022.12.16

高品質の建材を扱うことで、ラグジュアリーな分譲マンションや5ツ星ホテルの建設にとって、もはや欠かせない存在となった「コンフォート株式会社」。

前編は会社の歩みに加え、豊かな住空間を作るという目標、そして未来への想いなどについて語っていただきましたが、後編では実際に取り扱っている建材の解説をしながら、それぞれの魅力をご紹介していきます。各ジャンルのプロフェッショナルが選びぬいたアイテムは、いずれもコンフォート社のこだわりと誇りが感じられる一級品ばかりです。

耐久性、デザイン性で、大理石を超える。
美しくて強い「Caesarstone(シーザーストーン)」。

1987年にイスラエルで誕生した「シーザーストーン」は、約90%が天然クォーツで構成されている人造石のパイオニア。強くて美しいクォーツストーンとして、キッチンのワークトップやシンク、洗面化粧台、バスルームの壁面などの水回りをメインに、国内で取扱いをはじめた約10年前から高級物件に多数採用されるようになりました。

魅力の1つが高い耐久性で、ダイヤモンドの硬度を10とした場合、大理石は3のところ、「シーザーストーン」は6.5〜7。そのため傷や摩耗、割れに強いところが高く評価されています。

また、大理石は表面に小さな穴が空いているという性質ゆえ、水の吸収率が高く、細菌が繁殖しやすかったり、汚れが堆積してしまうという短所がありますが、「シーザーストーン」は穴がない構造なので表面の艶の変化が起こりにくく、また吸収率が低く、お手入れが非常に簡単。難しいケアなく美しく衛生的な状態が半永久的に続くため高く支持されています。

ズラリと並んだ「シーザーストーン」。向かって左側が高級ラインの “スーパープレミアム” 。

「シーザーストーン」の最大の強みは、デザイン性の高さ。大理石や御影石を思わせるような柄のシリーズに加え、クールな印象のインダストリアル、またエイジングを感じさせるタイプのものまで、バリエーションが豊富。さらに質感の幅も広がっており、ツヤ感のあるものからマット、さらにはザラつきがあるものなども。毎年新作のデザインが登場するというのも、他のブランドの追随を許さない大きなポイント。

これまでは同じ柄を生産するのが難しかったそうですが、技術が向上したため、最も高級なライン “スーパープレミアム” は、力強くダイナミックな石目を再現し、さらにほぼ同じパターンを何枚も作ることが可能に。キッチンや浴室の壁など、大きなスペースに使う場合、よりデザイン性が高い空間が出来上がると好評だそう。

もはや天然石より品質も価値も高いのでは……と思い尋ねてみると、『高級ラインになると、大理石よりも高い商品もありますよ』とのこと。『シーザーストーン社の技術の高さに脱帽』と思った瞬間でした。

触ってみると、質感や柄は実にさまざま。天然石より靭性が高いところも特徴の1つ。

海外デザイナーも魅了する、
「Raiki(ライキ)」の持つ、日本的な “削ぎ落とした美” 。

雷、または雷神を切ったとされる名刀「雷切(らいきり)」よりインスパイアされた、ガラスドア、ガラス収納システムのコレクション「Raiki」。

主にガラスとアルミフレームを使い、極限まで無駄を削り込むことで生まれる日本的な美を表現。その洗練されたデザインは空間と調和し、さらに場の “質” をも高めてくれると評判で、2023年春・八重洲にオープン予定の5ツ星ホテルの全室に採用されたことからも、その評価の高さが伺えます。

かつてもガラスとアルミを組み合わせたタイプの建具はあったものの、ガラスが分厚かったりフレームが太かったり……と、洗練とは程遠い印象のものが多かったそう。

合わせガラスの間に生地を挟むことで、ニュアンスを出すことも。

しかし「Raiki」は、最も薄いタイプでは合わせガラスが厚さ6mm、そこに見付の厚さ1.5mmという細いフレームを組み合わせており、これまでの建具に比べて圧倒的にシャープ。重厚感と軽やかさの両方がある空間を演出できるのが、「Raiki」の魅力です。

伝統を感じさせる美とモダンな魅力を併せ持ったデザインは、日本の建具である “数寄屋障子” や “坊主襖” からインスピレーションを受けているそうで、開発・製造を行ったのが、襖や障子などの在来建具を作る大阪の会社であると聞き、改めて納得。特にアルミのラインが襖を思わせる、柔軟性の高いデザインであるガラスのスライドドアは、和洋どちらの空間においても違和感がなさそうです。

ドア以外にも、収納システムのラインナップも充実。ガラスとアルミフレームを組み合わせたパネルをベースに、棚板や引き出しを配置し、組み合わせるキャビネット収納やフレームを支柱に、扉や棚板、ハンガーポールなどを設置したシェルフ型収納。さらにはウォークインクローゼット内に設置するシステム収納、また、壁面に大判タイルを使い、そこにガラスの棚板を配置した飾り棚といった展開も。

ガラスの色味も多数揃っており、さらには合わせガラスの間に布の生地を挟むといった加工も可能。「Raiki」の持つシャープな魅力はそのままに、空間に合わせた個性をプラスできるところも高評価されています。

向かって右にあるのがドアのシリーズ。枠と同じアルミの桟を使い、美しい模様を施すことも可能。フレームを支柱に使った壁面収納やドロワーも美しい。

ショールームには「Raiki」の建具で囲まれたウォークインクローゼットのような一角が。直線的なデザインはシャープにも関わらず、薄く色づいたガラスが空間に落ち着いた雰囲気を作り出し、とても居心地が良い。ウォークインクローゼットなど、より  “パーソナルな場所” に設置したら『気分よく洋服のコーディネートができそう』、そんな気持ちが湧いてきました。

最高級の素材と一流の技術で作る、
世界でひとつのオーダーメイドドア。

空間を仕切るだけでなく、インテリアとしての役割も大きいドアは、デザインに拘りがあればあるほど、しっかりと吟味したいパーツです。

コンフォート社では、1枚からオーダーメイド・ドアの制作が可能。木目が美しい高級木材から、希少な石、レザーなど上質な素材を使い、そこに理想のデザインやディティールを盛り込んで、世界で1枚の扉を作ることができます。

表面を美しく磨き上げる“鏡面仕上げ” や、木の表面に削りを入れて凹凸を作る “名栗” などの日本の伝統工芸、象嵌などの繊細な加飾、さらには “左官風仕上げ” など、加工技術も最高級。また、レバーハンドルやラッチといったパーツも多数取り揃っており、どんなリクエストにも答えてくれます。

担当者によると、漆仕上げのドアなど、約100万円を超えるオーダーも少なくないのだとか。ドアの表と裏で素材を変えたり、『壁と同じ素材でドアを作りたい』といったリクエストに対応可能なのは、扱う建材の幅が広いコンフォート社だからできることです。

ショールームには、個性豊かなドアがズラリと並び、いずれも自由に開閉可能。素材の手触り、レバーハンドルの握り心地、開けたときのドアの重み、そして閉めるときのスムーズ感…。実物を見ながら上質なドアとは何かを実感し、その上でオーダーメイドができるのがうれしいポイントです。

左・赤い色味が印象的な木材「ブビンガ」を使った挽き板(ひきいた)に、ラインアートを施した扉を触った宅間。『リーズナブルなパネルを張ったドアとは、見た目も質感も全く違う。素晴らしい技術に感動ですね。』/右・レザーや石を貼った扉なども扱う。ドアの素材によって部屋の印象も大きく変わることを改めて実感しました。

世界最高峰の踏み心地とデザイン性を持つ
最高級カーペットブランド。

物件のグレードが高くなるほど、ニーズが高まるという敷き込みカーペット。コンフォート社ではアメリカの2つの高級カーペットメーカーのコレクションを取り扱っています。

1つは全米カーペット協会より、最もすぐれた品質のカーペットを生産するメーカーとして承認されている「FABRICA(ファブリカ)」。こちらはホワイトハウスをはじめリッツ・カールトン等の高級ホテルにも採用されており、アーティストのマドンナも「ファブリカ」で自宅のカーペットを特注したことでも有名。糸の密度が非常に高く、圧倒的な踏み心地の良さを実感できます。


もう1つは、100年以上の歴史を持つ「MASLAND(マスランド)」。どちらのメーカーも、品質の高さはもちろん、デザインの独創性、織りパターン、カラーバリエーションの豊富さは、カーペット大国・アメリカの中でもトップクラス。


グレーやベージュといったオーソドックスなカラーはもちろん、パステルやビビッドカラーなど、日本のメーカーではお目にかかれないような個性的な色も多数揃っており、ショールームの壁一面に並ぶ膨大なサンプル帳を眺めているだけで部屋づくりへのアイデアがあれこれ浮かんでくるのが楽しい。『子供部屋の場合は、思い切りカラフルなカーペットを選んでみたい……』そんなワクワクした気持ちになりました。

すべての部屋に敷き込む場合もあるが、最近増えているのが寝室にのみカーペットを採用する、といったパターン。就寝前や起床時に、『裸足でカーペットを歩く心地よさを味わったら……もう手放せない』という人が増えているとのこと。

『現在進行中の、市ヶ谷砂土原のリノベーション物件に「マスランド」のカーペットを導入した』と宅間。

“自然” の魅力を最大限に引き出すことで、
上質な佇まいを演出するフローリング。

今やさまざまなランクのものが選べるようになった、フローリングの床材。コンフォート社では、最高級かつデザイン性の高いオリジナルブランド2種類を取り扱っています。いずれもショールームの床の一部に使われており、実際に敷かれたところを見て、その上を歩くことも可能です。

1つ目のブランド「真樹(しんじゅ)」は、天然の無垢材ならではのナチュラルな木目の美しさと質感を、反りや伸び縮みが少ない単板の挽き板で表現したブランド。表面に出る挽き板の厚みが2mm程度あるので木材の奥行きがあり、部屋に深みと高級感が出るのが一番の魅力。

経年により当初のナチュラルな木色の変化を楽しめるのも、高級な天然木を使っているからこそ。住むほどに部屋に愛情が湧く、そんなフローリング材です。素材は主に、木目の模様が美しいヨーロッパ産の木材を使用し、加工は提携している海外の工場にて。

幅が300mm×長さ240mmという広く長い板もあるので、高級感に加えて部屋にダイナミックな印象をもたせることも可能です。また部屋の形を問わずに使える施工性が高いヘリンボーン柄のパネルは、デザイン性の高さに加え、伸び縮みが少ないので床暖房にも対応できると人気が高いのだそう。

一方の「GROB(グローブ)」は、最高級のホワイトオークを幅広く使った贅沢なフローリング。無垢材本来の木目や節などの柄、そして色が生み出す自然のグラデーションをそのまま活かした、 “不揃いの美しさ” が最大の特徴。

塗装では表現できない独特の風合いを醸し出すため、燻すなどの特別な加熱処理を施したり、光と影が生み出す不揃いの美しさを演出するためのブラッシングといった加工のほか、ニュアンスのある雰囲気を出すために塗装で仕上げたり、さらには木目や濃淡を活かした寄せ木張りなど、個性豊かなデザインを多く取り扱っています。

グレージュなどライトな色合いから、コクのあるミルキーカラー、インダストリアル系のインテリアにも合いそうなダーク系、さらには木目を強調した少しワイルドな印象のものなどバリエーションが豊富です。

本物の木は、一つとして同じ “表情” が存在しないからこそ美しい。本物の木だけが持つ “不揃いの美しさ” にこだわったそうです。

ショールームの訪問で改めて実感したのは、コンフォート社が扱う建材に共通するのは、選びぬかれた上質な素材、それを仕上げる仕事の丁寧さ、あるいは希少な技術で生み出されたものである、ということ。

また各ジャンルの担当者にプロフェッショナルが揃っていることは、一流デザイナーやデベロッパーからのどんな無理難題にも答える、という強い矜持を感じました。高級建材界のトップランナーとしての独走は、まだまだ続きそうです。

DATA

佐藤 和也

コンフォート株式会社 代表取締役
一級建築士
https://www.comforthousing.co.jp/

建築系の大学を卒業後、大手のゼネコン・デベロッパー・総合商社での勤務を経て、1996年に設立。
洗練された上質建材の販売、事業建物、一般住宅の企画・設計・施工を通じて、「豊かな住環境の創造」をテーマに、ユーザーの皆様とよりよい住まい創りを目指しております。

Text by Yuki Kono
Edit by Misaki Matsumoto
Photos by Mitsuo Yamamoto, Fumiko Nakayama
         

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