パンで始まりワインで終わる街「広尾」生活編
都内では麻布、松濤、白金などに並ぶ高級住宅街として人気の広尾。前回の環境編では、広尾の成り立ちとエリアの特徴をお伝えしました。今回お届けするのは生活編。この街の魅力はハイグレードな住環境と、暮らしやすい生活環境の両方があるところです。では、広尾に住んだらいったいどんな暮らしが待っているのでしょうか。居住者の視点でこのエリアを探索してみました。
通勤通学に申し分のない好立地
広尾に住むことの第一のメリットはなんと言っても交通の便のよさにあります。
地下鉄日比谷線広尾駅は恵比寿、六本木が隣駅です。銀座へは1本。東京駅には乗り換え1回、20分弱で出ることができます。日比谷線は1964年にできた古い路線なので駅の入り口からプラットフォームまでの距離が近く、乗り場まで深く深くエレベーターを降りて行く新しい路線に比べると、格段にラク。時間の節約になるのが本当に助かります。
さらに広尾駅前には都バスの乗り場もあり、ここからは品川、新宿方面行きのバスが利用可能。また、麻布十番や六本木ヒルズ方面へ向かう地域密着型の「ちいバス」も通っていて、これも使い慣れるととても便利です。
このように通勤通学には申し分のない好条件が揃っているのが、まずは広尾の大きな魅力と言えます。
ハイスタンダードな暮らしが手に入る
広尾駅周辺は商業施設も多く、買い物や食事に困ることはありません。中でも「広尾プラザ」はランドマーク的存在。高級スーパーの「明治屋広尾ストアー」、マーケットにカフェを併設した「DEAN & DELUCA 広尾」をはじめ、ファッション、カルチャー、会員制スポーツジム、幼児向け受験塾までこのビルの中に揃っています。
「明治屋広尾ストアー」は一般的なスーパーに比べて売り場の通路が広いので、バギーを押してゆっくり買い物ができるのが小さなお子さんがいるご家族には嬉しい点。
また「広尾プラザ」の向かい側、外苑西通りを渡ったところには2階建てのショッピングセンター「広尾ガーデン」があります。1階には薬と化粧品を扱うファーマーシー。2階には書店、カフェなどがあるほか、モデルや芸能人、美容家にも愛用者多いトータルビューティサロン「uka 広尾店」が入っています。
そして「広尾ガーデン」の背後にそびえ立つのが17階建ての「広尾タワーズ」です。1970年代に登場したこのレジデンスは、都心の高級ヴィンテージマンションの先駆けとして今なお人気。なんと言っても広尾駅徒歩1分という好立地に心惹かれます。
ちなみに「広尾プラザ」「広尾ガーデン」「広尾タワーズ」は同じ会社による運営。広尾のハイスタンダードな暮らしを象徴する存在と言えるでしょう。
広尾の朝はパンで始まる
広尾の街を歩いていて気づくのは、本格的なベーカリーが多いこと。どのお店も焼きたてのパンを買い求める地元のお客さんで朝から賑わっています。
広尾駅前の交差点にいつも行列ができているのが「トリュフベーカリー 広尾店」。ここの1番人気は白トリュフの贅沢さを味わえるこだわりの塩パン。このパン目当てに広尾エリア以外から足を運ぶ人もいます。
「ブーランジェリーブルディガラ広尾本店」はパリのパン屋さんを思わせるおしゃれな外観。バゲットを始め、ヨーロッパの食卓では定番のハード系のパンの種類が豊富です。パンによって小麦粉を使い分け、自家製酵母や芳醇な発酵バターなどを使用した本場の味。半数近くが外国人リピーターだというのもうなずけます。
「ブレッド&タパス 沢村 広尾」は外苑西通りに面したお店。1Fがベーカリー、2Fがレストランになっています。ここと、同系列の「ベーカリー&カフェ 沢村 広尾プラザ」はともに朝7時のオープン。両店舗とも営業開始からお客さんが途切れない人気店。通勤通学前に立ち寄る人も多いため、モーニングセットが充実しています。
一般に東京のパン屋さんは早朝から営業しているお店は少ないのですが、広尾は別。前出の「沢村」の他にも「ブーランジェリーブルディガラ広尾本店」と明治通り沿いにある「シティベーカリー広尾店」が8時からオープンしています。それだけ朝の需要があるのは、やはり外国人の居住者が多いから。これは広尾の大きな特徴となっています。
また、ベーカリーと並んで多いのがワイン専門店です。これも夜の食卓にはワインが必需品という外国人のニーズがあるからこそ。どのお店も充実の品揃えなので、仕事終わりについ寄ってしまいたくなります。
このように、ヨーロッパの日常の食卓が再現できるパンとワインが、日本にいながらにして揃うのが広尾の街。広尾の食文化は外国人のライフスタイルが基本にあると言えるでしょう。
もう一つのランドマーク「ナショナル麻布」
それを象徴するのが、広尾のもう一つのランドマーク「ナショナル麻布」です。世界各国の食材が一同に揃うこのスーパーマーケットは、いつ行っても故郷の味覚をもとめる外国人の方々で賑わっています。
とくにお肉やチーズは種類が豊富で他のスーパーでは見かけないものがたくさん。この「ナショナル麻布」があることで広尾は、外国人だけでなく海外在住期間が長かった日本人にとっても住みやすい街になっていると言っても過言ではありません。
また英語や中国語で受診できる病院が集まっているのもこのエリアの特徴。「都立広尾病院」「愛育クリニック」を始め、「ナショナルメディカルクリニック」「フローイーストクリニック」「広尾かなもりクリニック」などが英語での診療を行っています。
体調について慣れない日本語で伝えるのは難しいもの。母国語で診療を受けたい方には心強い街、それが広尾です。
ネイティブ並みの英語を身につけるには最適
教育機関に目を向けてみましょう。
このエリアにはインターナショナルスクールがとても多く、それも外国人や海外と繋がりの深い日本人が数多く住んでいる証です。
その代表格と言えるのが「聖心インターナショナル」。幼稚科から高等科まで約600名が通う名門女子校です。英語と日本語のミックスで話しながら街を行く女子学生たちをしばしば見かけるのも広尾ならでは光景。
さらに特筆すべきは近隣の「広尾学園」と「東京女学館」にも“インターナショナルクラス”や“国際学級”が存在すること。また「東京キッズクラブ」「キッズガーデンプレップスクール広尾」「ソレイユインターナショナルスクール」など、英語を使用するプレスクールも多く、広尾はネイティブ並みの英語を身につけるには最適の場所と言えます。
お受験を見据えて広尾住まいを選ぶ
また「慶應幼稚舎」のお膝元である広尾は教育に対する意識が高い街。「愛育幼稚園」(港区南麻布)、若葉会幼稚園(港区西麻布)など有名幼稚園も近いため、お子さんの小学校受験を見据えて広尾に住むことを決めるご家族も多いのではないでしょうか。
国際性を身につけるか、有名校を目指すか。いずれにしろ、広尾の子どもたちの中から次世代の担い手が現れるに違いありません。
新旧のお店が軒を並べる広尾商店街
インターナショナルでハイグレードな広尾の生活環境の中で、ほっと心安らぐ下町情緒を楽しめるのが「広尾商店街」通称「広尾散歩通り」です。ここの魅力は地元に根付いた老舗と新しいお店が混在していること。
「THE RESTAURANT」は広尾駅から徒歩1分。1,2階合わせて17店舗が横丁スタイルで楽しめる広尾の新名所です。人気のコーヒーショップ「ブルーボトルコーヒー」もお目見え。
「アンド ザ フリット広尾本店」はベルギー発のフレンチフライ専門店。6種類のポテトと10種類のディップが選べる今までにないスタイルが人気です。
「福田屋」は戦前から営業している魚屋さん。ここはお店の奥が食堂になっていてお昼の時間帯だけお魚の定食が食べられる穴場。近隣の高級マンションに住む方も通うほど地元では有名なお店です。
広尾に住む価値はここにある
広尾は高級スーパーのほかにもドラッグストアーのチェーン店や100円ショップ、良心的な価格の八百屋さんなどもあり、なんでも揃う便利さと交通の利便性だけでも『ここに住みたい』と思わせる魅力がある街。
また海外在住が長い方、ご家族に英語のネイティブスピーカーがいる方にとってはとても住みやすい環境です。
教育施設が充実しているのもこのエリアの特徴。幼稚園、小学校から女子大まで有名校が勢揃いしているほか、ネイティブレベルの英語を身につけられるインターナショナルスクールの多さも広尾は群を抜いていると言えます。
広尾を一言であらわすとしたら朝は焼きたてのパンで始まり、食卓のワインで1日が終わる街。そんなライフスタイルがもしあなたの理想だったら。都内の数ある高級住宅地の中でもいちばん住み心地が良いのは、間違いなく広尾でしょう。