再開発の波のなかで、穏やかさを守り続ける「高輪」の邸宅街
港区高輪はターミナルである品川駅の利便性を享受しながら、一本奥に入ると穏やかな住宅街が広がり、都心とは思えない静かな時間が流れています。今回はこの地に20年以上お住まいで、こだわりの邸宅を建築されたNさんご夫妻にその暮らしぶりを伺いました。
歴史と再開発が共存する街
品川駅の東側は再開発が進むビジネスエリア。一方で、高輪アドレスの駅西側には自然を感じられる閑静な住宅街が広がっています。特に柘榴坂(ざくろざか)の南側、高輪4丁目は高級住宅地として高い人気を誇っています。

高輪の歴史は古く、「吾妻鏡」や「軍記物語」といった鎌倉時代の書物に名が残されているほど。戦国時代には江戸城を攻めた北条軍と、守る上杉軍が戦った地として「高縄原」という地名が記録されています。江戸時代には上・下高輪町にわかれたものの、明治以降の町名再編を経て、1967年の新住居表示で現在の「高輪」となりました。
都心で叶える、自然と静寂に寄り添う暮らし
高輪に住む方々からは、ゆったりとした落ち着きある雰囲気が感じられます。家具や庭づくりにも心を配り、子育ても一段落しつつある今、Nさんご夫妻はこの街でどのような日常を過ごしているのでしょうか。
——まず、高輪に住もうと思われたきっかけをお聞かせいただけますか。
奥様:若い頃に入社試験を受ける際、気持ちを落ち着かせようと「原美術館」(2021年に閉館)へ向かう途中で、高輪の街を歩いたんです。駅周辺の賑わいとは対照的に静かで落ち着いた雰囲気で、緊張した心がほどけていきました。その感覚が忘れられずにいたんです。
旦那様:妻から高輪が気になると言われ、実際に訪れてみると、静かで品のあるとても良い場所だと感じました。マンションを購入して暮らし始め、その後2度の住み替えを経て、いまの家を建てて…かれこれ20年以上ここに住んでいます。
奥様:高輪はエリア内で住み替えたり、住民のご親族が移住されるニーズが強いようで、物件が出た際にまず地域内で情報が出回ることがあるんです。この土地もそこで情報を知って、1週間くらいで購入を決めました。

奥様:最初に住んでいたマンションのリビングルームからは当時建っていた「ホテルパシフィック東京」の庭園の緑を見下ろすことができ、都心のマンションながら自然を身近に感じられたのが印象に残っています。次のマンションでも、大きな窓から島津山の新緑や紅葉など四季の移ろいを感じながら過ごしていました。都心にいながら心安らぐ自然が身近にあるのが魅力です。

複数駅を使い分ける
高輪エリアの周辺には品川、五反田、白金高輪、白金台など複数の駅や路線が走っているのが大きな特徴。日常生活ではどれほど活用されているのでしょうか。
——近隣駅の利便性についてはどのように感じていらっしゃいますか。
旦那様:品川はターミナル駅なので、新幹線や空港へのアクセスの良さが大きな魅力ですね。
奥様:我が家は品川駅と五反田駅の中間に位置していて、どちらの駅にも徒歩でアクセスできます。その立地の良さから子どもたちの友人も集まりやすく、賑やかで思い出深い時間を過ごせています。
旦那様:品川駅周辺はホテルや旅行者向けの施設が多い印象で、日常使いでは不便に感じる場面もあります。通学や買い物には五反田駅の方が便利で、妻や子どもたちはそちらを利用することが多いようです。両方の駅を使い分けられるのが便利ですね。

子育て世代に優しい、日常の暮らしやすさ
——子育て環境はいかがでしょうか。
奥様:高輪は治安が良く、安心して子育てができます。徒歩圏に公園も多く、白金台にある「白金児童遊園(通称 “猿町公園” )」は地元の方も多くいらっしゃっていて、自然とお友達ができました。子どもが小さかった頃は「高輪児童館」にあるプレイスペースもよく利用しましたね。
旦那様:品川駅近くにある「高輪森の公園」は穴場ですね。自然のままの「森」です。NPO主催のプレーパークもやってて、森の木々や斜面を活用した遊びができます。こんな都心でも泥んこになって遊べる環境があるのは良いですね。


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