「FLOS」ショールームで体験する、モダン照明の世界

2024.09.13

モダン照明のトップブランドとして、インテリアのプロから絶大な信頼を得ている FLOS。BEARS社の新オフィスでもアイコニックなデザインのペンダント照明を取り入れています。そんなFLOSの世界をトータルに体験できる、渋谷のショールームを訪れました。

フロスジャパン社が展開する新たなショールーム

フロスジャパンの新たなショールームが今年(2024年)5月、渋谷に移転オープンしました。場所は青山学院大学のほど近く。完全アポイント制ですが、インテリアのプロはもちろん一般のユーザーも利用可能です。

約200㎡、天井高5mのショールーム。場所は渋谷の中でも、ハイエンドなインテリアショップが多いエリア。

このショールームには「デコラティブ照明」「建築照明」「アウトドア照明」「特注照明」と、4つのカテゴリーの照明がディスプレイされています。順を追ってご紹介していきましょう。

デコラティブ照明」は名作照明の宝庫

FLOSのアイコニックな照明は「デコラティブ照明」のカテゴリーに分類されています。このジャンルは総点数が非常に多いため、アイコニック、ベストセラーと新作、問い合わせの多い商品を厳選。見たい商品が確実に見られるよう、アポイントを取る際にどの商品が見たいのかを確認されるシステムになっています。

「2097」のシャンデリアは1958年からのロングセラー。

こちらが、BEARS社が購入した「Skynest(スカイネスト)」。

「Skynest」は2022年に発表された、FLOSの中では比較的新しいプロダクトです。デザインを手掛けたのはオランダ人のプロダクトデザイナー、マルセル・ワンダー。チューブ型のLEDを24本使用し、今までにない画期的な照明を誕生させました。サステナビリティの考え方に基づき、一部のLEDに不具合が生じても1本単位で交換できます。

ラグジュアリーブランドから美術館まで

「建築照明」のカテゴリーで扱われているのは、住宅はもちろん、オフィスや商業施設の設計段階から検討が必要な照明。FLOSの洗練されたミニマルな建築照明は、世界のラグジュアリーブランドのショップでも数多く使われています。

「アウトドア照明」は、エクステリアで使える照明のカテゴリー。ショールームでも、外で使われているイメージが沸くような展示がなされています。

「特注照明」はFLOSで「Bespoke(ビスポーク)」と呼ばれる特注部門が手がけたオーダーメイドの照明です。もとは大規模だった商品をオフィスや一般住宅でも楽しめるよう、コンパクトにリサイズしたものが商品化されています。

特注照明の1つである「Luce vertical(ルーチェ・ヴァーティカル)」
2021年、パリにオープンした美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」の特注照明から商品化した「Luce Orizzontale(ルーチェ・オリゾンターレ)」。デザイナーはロナン&エルワン・ブルレック兄弟。

60年以上の時を経たタイムレスな魅力

ここで「デコラティブ照明」のカテゴリーに戻り、FLOSの代表的な照明をご紹介していきます。

ロングセラーの「ARCO(アルコ)」は通常モデルの他に、60周年を記念した限定モデルがディスプレイされていました。本来はベースが白大理石ですが、こちらはクリスタル仕様。2022年に世界限定2,022台で発売され、シリアルナンバーが入っています。

「SNOOPY(スヌーピー)」と「BIAGIO(ビアジオ)」は、ともに1960年代にデザインされたテーブルランプ。こうした名作を実際に見ることができるのも、このショールームの魅力です。

「SNOOPY」。スヌーピーの横顔に似ていることから名付けられた。
「BIAGIO」。白大理石を削り出して造形するアートピースのような照明は、受注生産品。

DNAを受け継ぐ新作「BILBOQUET」

“けん玉からインスパイアされた” というユニークなテーブルランプは、今年(10月1日発売)の新作「BILBOQUET(ビルボケ)」です。この照明は、円筒形のライトを磁石のボールに好きな角度で固定できるのが特徴。つまり、下を向けて手元を照らす卓上照明としても、上を向けて間接照明としても使える、多機能なライトなのです。デザインを手掛けたのはイギリス系カナダ人のフィリップ・マロウィン。ユニークな発想がFLOSのDNAを感じさせます。

「NOCTAMBULE」はラグジュアリーな空間に人気

近年の作品の中でも、特に問い合わせが多い「NOCTAMBULE(ノクタンブル)」。手吹きガラスのシリンダーを重ねて造形する、コンテンポラリーな照明です。長短ある円筒型のパーツや椀型のパーツなど、モジュールは全部で4つあり、フロアランプとして使用する場合は、これらを4段まで重ねることが可能です。

「NOCTAMBULE」 。同シリーズのペンダントタイプもある。

デザイナーはドイツ人のコンスタンティン・グルチッチ。「NOCTAMBULE」はフランス語で “フクロウ” を指し、夜活動するという意味が込められています。ライトをつけることで本来の輝きを放つのはもちろんのこと、日中に日光があたる姿も大変美しく、1日に2つの表情が楽しめるのも大きな魅力です。別荘や邸宅、高級レジデンスのエントランスなどで使われ、ラグジュアリーな空間に人気というのも納得できます。

どうアレンジするか、楽しみ方は無限

ここ10年で特に人気を博したのが、前編でもご紹介した 「IC Lights」です。この他にもマイケル・アナスタシアデスが手がけたデザインはどれも注目度が高く、このデザイナーの作品を目当てに来場される方も多いそう。

「COORDINATES(コーディネーツ)」は、アメリカのホテルの特注照明として制作された大型のシャンデリアから商品化されたもの。1つだけでもプロダクトとして成立していますが、複数を組み合わせると一層華やかな印象になります。

「COORDINATES S3」

「ARRANGEMENTS(アレンジメンツ)」は、ジュエリーからインスパイアされた照明。9種類のエレメントを自在に組み合わせて楽しむ、革新的な発想に驚かされます。

「ARRANGEMENTS」

マイケル・アナスタシアデスが手掛けたこの2つの照明に共通しているのは『ツールをどうアレンジするかはユーザー次第』という、独自の考え方。優れた性能の照明をどのように組み合わせて楽しもうかと、夢が膨らむところにも人気の秘密がありそうです。

「ARRENGEMENTS」の連結部分。通電する仕組みは特許を取っている。

心に訴えかけるポエティックな光

いつの時代にも、最新の技術を積極的に取り入れて革新的な照明を生み出しているFLOS。そうした数々の逸品を揃えた上で、『心地良いように使っていただきたい』というのが、ブランドからのメッセージです。自分の住まいにはFLOSのどの照明が合うのか、とても興味が湧いてきますね。

最後に、フロスジャパンのPR&コミュニケーションマネージャーである井出 美保さんにFLOSが考える “豊かさ” についてお伺いしました。

「FLOSは1962年の創業期より『心に訴えかけるポエティックな光とデザイン性、そして機能性のある照明』を常に生み出そうとしてきました。部屋のレイアウトを大きく変えなくても、照明の使い方ひとつで空間をより美しくすることができます。慣れない方にはちょっと難しいと思われるかもしれませんが、良い照明は使ってみると本当に生活が豊かになります」(井出さん)

ユーザーに寄り添いながらも強い存在感を放つFLOSの照明。その実物に触れ、FLOSの世界が体験できるのが渋谷のショールームです。また、『心地よい空間を設えるための照明』のアドバイスも聞くことができます。生活を豊かにする“良い照明”を見つけに、まずはこの場所を訪れてみてはいかがでしょう。

DATA

FLOS JAPAN SHOWROOM

東京都渋谷区に位置し、2024年5月に移転オープン。 イタリア本社がデザインを手掛け、立体・面・光のラインが折り重なった奥行きのある空間で構成されている。FLOSのアイコニックな作品から最新作まで多彩なラインナップの展示を見ることができる。
japan.flos.com
東京都渋谷区渋谷1-3-3 ヒューリック青山第二ビル 2F

Text by kyoko Hiraku
Edit by Saori Maekawa
Photo by Eiji Miyaji
         

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