Private View vol.3 前編
「白金台の森に包まれる。四季の移ろいを楽しむ家」

2022.11.04

月日が経ってもなお、その価値を高く保ち続けるヴィンテージマンション。

本連載「Private View」では、人々が大切に住み継ぐことで育まれ、さらに魅力を増していくヴィンテージマンションでの暮らしにスポットを当て、古いものに新しい価値を見出す方々の豊かな暮らしを叶えるヒントを紐解き、ご紹介していきます。

第3回目は、窓一面に白金台の森を望むヴィンテージマンションにお住まいのご夫婦を訪ねました。2022年、BEARSとリブラスタイル社が企画から内装や家具などのトータルコーディネートまでを手がけた販売物件に出会い、夏の終わりに引っ越しを終えたばかりというおふたり。

全2回の前編は、新居との出会いと理想の暮らしについて伺います。

都会と山荘との二拠点生活。自然を感じる新居との出会い

──秋の光がきらきらした快晴の今日、都心とは思えないようなリビングからの眺めが格別ですね。こちらのお住まいとはどのように出会われたのでしょうか?

私たちは長年、都会生活の一方で⻑野県の蓼科に山荘を持ち、東京の家と自然に囲まれた別荘とを行き来する二拠点生活を続けてきました。

こちらに移り住む以前は、千代田区番町のマンションが東京での住まいでした。どこに行くにも便利な環境だったのですが、日本テレビ本社跡地の再開発や近隣の新築マンションなどの建設計画で界隈が騒がしくなり、夫婦ともども60代になって、そうした環境のもとでゆったりとした豊かな生活を今後も続けていくことができるか、不安に感じ始めました。

二拠点生活では、八ヶ岳を望む山荘での暮らしと都会のマンション生活とのギャップを長年楽しんできたわけですが、『東京でももう少し自然に親しみたい』という欲が出てきて、そんな思いで新居を探し始めていたときに出会ったのがこの物件でした。

──賃貸ではなく、家を所有することについて、どのようにお考えですか? 

私たちは日本国内では一度も賃貸に住んだ経験がありません。天災などのリスクを考えて、賃貸派の方もいらっしゃいますが、持ち家はやっぱり愛着が違います。

決め手はリビングからの圧巻の眺め

──住まい探しにおいて、おふたりが重視されていたのはどんな点でしょうか?

最も重視していたのは、ビルなどの人工物に囲まれない環境と日当たりのよさです。一方で駅が近く、交通の便がよいことも大事なポイントでした。

他に四ツ谷や市ヶ谷といったエリアも併せて検討していましたが、何より『東京でも自然に親しみたい』という気持ちがありましたから、このリビングからの圧倒的な眺めが決め手になりました。

都心のマンションでありながら、椅子に座れば、目に映るのは豊かな木々の緑だけ。こんな住まいにはなかなか出会えません。

ここに越してきて、夏が過ぎ、最近は日の光を受けた木の葉が輝きながら風に乗って舞い散る様子を眺めています。これからさらに美しく色づいていくでしょうね。

約20万㎡もの広さを誇る「国立科学博物館附属 自然教育園」

そんな風に窓の外を眺める時間も好きですが、白金台に広がる「自然教育園」の森を歩くことも心から楽しんでいます。内心『うちの庭』くらいの気持ちで散歩しているんですよ。都会にいながらにして、四季の移ろいを身近に感じられる喜びを噛み締めています。

以前、番町に住んでいた頃は蓼科の山荘に行ける休日がとても待ち遠しかったものです。もちろん、今でもそちらに行けばその豊かな自然に感動するのですが、こちらでも自然を感じながら心おだやかに過ごせています。

窓からの風景はいつまで眺めていても飽きることがない

──このお家での暮らしをスタートされて2か月ほど。ご感想はいかがでしょう?

日当たりのよい明るい室内、特に南に面した部屋やバルコニーの日照時間の⻑さ、風通しのよさが素晴らしいですね。高台ならではの特筆すべき点だと思います。

そして、日々変化する森の姿と街を行く人々の風景は、いつまで眺めていても飽きることがありません。番町のようなビジネス街と違って、通りを歩く人たちの表情にも心和みます。

当初は気にしていた羽田新飛行ルートを航行する旅客機も、今では眺めるのが楽しみになりました。コロナであれほど少なくなっていたジェットの音が日に日に増していくにつれ、 眠りから覚めて活動を始めた世界の鼓動にも思えるこの頃です。

──昼間だけでなく、夜景もまた美しいそうですね。

ええ、住み始めてから気づいたのですが、私たち夫婦が大好きな「東京タワー」の姿、特に夜のイルミネーションは素敵なサプライズでした。

9月の中秋の名月の晩には、バルコニーから眺めた満月と、遠くに輝くビルの夜景に思わず『ここに引っ越してきてよかったね』と夫婦で語り合いました。 

夕暮れのバルコニーと、ビル群を照らす中秋の名月

信州の山荘だけでなく、東京でも自然に親しみたい──そんな理想の暮らしを、白金台の森に隣接するヴィンテージマンションで叶えたおふたり。

次回の後編は「旧朝香宮邸」のアール・デコ様式にインスピレーションを得てデザインされた居住空間でのご夫婦の住まい方に迫ります。
どうぞお楽しみに。

Text by Jun Harada
Photos by Fumiko Nakayama
         

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