「ミラノ・サローネ2026」訪問記—注目ブランド編

2026.07.10

3週にわたってお伝えしている「ミラノ・サローネ2026」のレポート。ラグジュアリー家具の新作や水回りをハイライトしたVol.1に続き、今週は伝統的なクラフツマンシップを独自のスタイルに昇華させた「PROMEMORIA」と現代的でありながら多様性に富んだスタイルが特徴の「MERIDIANI」の2ブランドにフォーカス。イタリア家具ならではの魅力に満ちた世界観をご紹介します。

家具のオートクチュール「PROMEMORIA」

数あるインテリアブランドの中で、尊敬の念とともに “家具のオートクチュール” と呼ばれるのが「PROMEMORIA(プロメモリア)」です。創業者は現在もメインデザイナーとしてブランドを牽引するロメオ・ソッツィ氏。祖父の代から地元貴族のために馬車の修復を行なっていたという貴重な職人技術を継承し、エルメスの家具を手掛けている事でも知られています。

ミラノ市内にあるショールーム。

さらに今回BEARSは、コモ湖南東端に位置する街「Lecco(レッコ)」にある本社アトリエツアーに参加してきました。

一般的に家具の生産は工業化されている中、プロメモリアでは一つひとつの製品が今なおハンドメイドでつくられています。間近で見ると、使われている素材やディテールの精緻さには圧倒的なものがあり、さすが世界最高峰の家具ブランドだと感銘を受けます。

オフィスは自然光がふんだんに入る気持ちの良い空間。カーペットがパープル色なのは、さすがクリエーション大国・イタリアです。デスク上には進行中のプロジェクトに使用されるマテリアルが広げられていました。

現在、本社に隣接する敷地にプロメモリアの家具を体験できる宿泊ヴィラをプランニング中とのこと。湖があり、山に囲まれた環境の良い場所なので、どんな趣向の施設になるのだろうと想像が膨らみます。

クラシックとモダンが調和する「MERIDIANI House」

今年で30周年を迎えた「MERIDIANI(メリディアーニ)」。高度なクラフツマンシップに支えられた、100%国内生産によるコレクションは “住まいを衣服のように装う” コンセプト。際立ったスタイルを提案しながら、一人ひとりの感性を許容する余白も残しています。

今回プレゼンテーションが行われたのは、ショールームから徒歩10分程の場所にあるクラシックなアパートメントの一室「MERIDIANI HOUSE」。

レセプション、2つのリビングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム、スモールスペース、テラスがあり、ブランドの世界観が実際の住空間で展開されていました。

壁や天井に凹凸感のあるモールディング(*)が施され、軽やかな中にも深みを感じさせます。家具はモダンなものが置かれ、絶妙なバランス。

*建物の壁、天井、窓枠、家具などの接合部や輪郭にあしらう、凹凸のある細長い装飾建材のこと

空間の広さが日本のマンションにも当てはまる規模感で、参考になるアイディアをたくさん見つけることができました。リノベーションで設備や内装を新しくしつつ、インテリアデザインでどうニュアンスを出していくか。インスピレーションが広がります。

精緻なものづくりから生まれる家具のオートクチュール、プロメモリア。そして洗練されたインテリアをリアルなサイズ感で提案するメリディアーニハウス。編集部は暮らしを豊かにするイタリア家具それぞれのあり方に、すっかり魅了されてしまいました。

ミラノ・サローネ訪問記最終回の来週は、ミラノ市内で特に印象的だったベストプレゼンテーション3つをご紹介します。

Text by Kyoko Hiraku
Edit by Saori Maekawa
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