イタリアの見本市「ミラノ・サローネ2026」訪問記 家具編

2026.07.03

毎年4月に開催される世界最大の国際家具見本市「ミラノ・サローネ」。BEARS編集部は今年も現地へ足を運び、約30ブランドを訪問しました。その模様を3回に渡ってご紹介します。

2026年で64回目の開催となるミラノ・サローネ。家具を始めとするデザイン界のトレンド発信の場として、世界中から常に関心を集めてきました。宿泊代や航空券が高騰する中、今年も世界167カ国から来場者を迎え、前年以上の盛況と伝えられています。

本会場のフィエラを離れ、「フォーリサローネ」と呼ばれるミラノ市内にあるショールームや特設会場を使った展示が増加しているのも近年の傾向。新進気鋭のメーカーが情報発信するなど、より有意義なイベントに成長している印象を受けました。

世界の高級家具をリードする注目ブランドの新作は

はじめに、ラグジュアリー家具の注目ブランドをご紹介していきましょう。

Minotti

イタリアを代表する高級家具ブランド「Minotti(ミノッティ)」。本会場で約4500㎡もの展示空間を使ったプレゼンテーションはとても見応えがあるものでした。今年のテーマは『1990年代のミニマリストの抑制された知性と、1970年代の感性豊かな現実性の融合』。昨年までのラウンドフォルムや毛足の長い素材に、直線的なフォルムと無機質な素材がプラスされ、新しいムードが提案されています。

大胆な柄行の大理石「カラカッタオイスター」を使用したテーブルはアートなムード。大理石はこのところマットが主流だったが、グロス加工が復活している。

Portrona Frau

上質な革と職人技から生み出される「Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)」の美しい家具。今年は『True Over Time』をキーワードに、“古くて良いものの記憶を伝え、価値のあるものに” というコンセプトでした。

今回は朝9時の比較的空いている時間帯に訪問できたため、その深い世界観を映し出すシーン展示をゆっくりと見ることができました。ブランドを代表するアームチェア「アーチボルド」の新作もバリエーション豊かに発表され、見応えのある充実したコレクションに仕上がっています。

Poliform

空間全体を一つの調和した世界観で仕立てる「Poliform(ポリフォーム)」。18世紀のパラッツォ・クレリチの格調高い空間を会場に、ダイニング、ベッド、キッチン、収納と、トータルで世界観を魅せる展示でした。 

ミラノらしい緑豊かな中庭が広がる贅沢な空間で、アウトドア家具がもたらす心地よさを体感できました。そこから趣のある館内へと続くシーン展示の数々は、控えめの中にもラグジュアリー感のある、ブランドの世界観にどっぷりと浸らせてくれる素晴らしい体験でした。 

Molteni&C

昨年90周年を迎え、家具から空間全体をデザインするブランドへと進化を遂げている「Molteni&C(モルテーニ)」。パラッツォの名を冠した邸宅型ショールームでの展示では、ブランドの目指すモダンラグジュアリーな空間を回遊しながら体験することができました。

注目はヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンのモジュール式シーティングシステム「Julian(ジュリアン)」。奥行きが1200㎜ほどあり、ダブルクッションのシートも高級感があります。去年までの曲線から直線的な四角いフォルムへと変化し、座り心地も今まで以上に快適でした。

洗面化粧台やバスタブのプレゼンテーションも。(日本での展開は未定)
キッチン新作。大理石の天板、木のカウンター、いずれもコーナーがラウンドされているのが特徴。

昨年までの “古き良き時代の華やかさを再現したかのようなヴィンテージ感” に、“モダンなシャープさ” が加わったのが今年の大きな傾向です。グロス仕上げのウッドや大理石など、リフレクション効果のある素材が、ブランドの枠を超えて随所に使われていたのも印象的でした。

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