「Ritzwell」の家具が世界に届ける、日本の美学

2025.08.08

海と緑に囲まれて、職人の感性が育つ場所

2019年にRitzwellは福岡県糸島市に「糸島シーサイドファクトリー」を開設しました。福岡市の中心部から車で1時間ほどに位置する糸島は、海と山に囲まれた自然豊かな土地で、近年は多くのクリエイターたちからも注目を集めています。

——世界でも高く評価される家具を作り続けるなかで、この工房の存在はどのような意味を持っていますか。

若山:『お客様の心を動かす家具を作るためにはまず職人の感性が大切』という想いから、自然に恵まれた環境で心にゆとりを持ち、感性を磨ける場所として糸島が選ばれました。移住者も多く地域との繋がりが育まれやすいこの地は、職人たちにとっても心地よく働ける場所となっています。

緑に囲まれ、海を望むことができる「糸島シーサイドファクトリー」は誰でも見学が可能(要予約)。

——ここではどのような作業が行われていますか。

若山:布や革の加工から縫製、椅子張り、検品までの工程を担う、Ritzwellのものづくりを支える重要な拠点です。職人たちが一つひとつの工程を手しごとで丁寧に仕上げています。

工房内でいちばん景色の良い部屋には休憩スペースがあり、窓からは玄界灘(げんかいなだ)の美しい海を望むことができます。この “癒しの景色” に包まれて職人たちは、90分集中して作業し10分休憩するというリズムで日々の制作に向き合っているんです。こうした自然との共存によって、感性が少しずつ磨かれていくのだと感じます。

糸島の自然に囲まれた工房での作業風景。

世界に打って出て行こうというブランドの精神は「Ritzwell」という名にも現われています。国籍や言語に捉われず、英語圏の方にも発音しやすい名前にしたいと、響きを重視して名付けられたそうです。大量生産、大量消費の時代だからこそ素材を生かし、手しごとにこだわるRitzwellのものづくりには、これからの時代にこそ必要とされる価値があると感じました。

後編では表参道にあるショップ&アトリエを訪れ、各プロダクトに込められた細やかなこだわりについて、さらにお話を伺っていきます。

Text by Aiko Kuwano
Edit by Sotaro Oka
Photo by Eiji Miyaji
DATA

若山 良子 Yoshiko Wakayama

株式会社リッツウェル 広報
2007年、リッツウェルに入社。営業職を経て、広報部門の立ち上げに携わる。現在は広報・PRを担当。

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