洗練された街で自然と感性が磨かれる暮らしを―「南青山」

2024.02.02

世界各国のハイブランドの旗艦店が集まり、流行の発信地として国内外から常に注目されている「南青山」。デザインや建築関係の事務所も多く、ハイセンスな人たちが道行く街並みは、華やかで活気にあふれています。その一方で大通りを一本入れば、個人邸宅も多く、閑静な住宅街としての顔も。
今回はそんな南青山にお住まいのNさんに、街で暮らす魅力について伺いました。

江戸時代の広大な屋敷の跡地が、歴史を経て最先端のトレンド発信地に

青山エリアは、国道246号線から北側が北青山、南側が南青山に分けられます。

江戸時代、徳川家康の家臣で、幕府の要職に就いていた青山家の屋敷があったことが「青山」という地名の由来。現在の国道246号線は江戸時代から「青山通り」と呼ばれていました。青山家の屋敷は、現在の赤坂御所の一角や青山霊園を含み、かなり広大でした。これは、徳川家康が鷹狩のお供だった青山忠成に『馬で走った分だけの土地を授ける』と言ったところ、馬が遠くまで走ったからという言い伝えも。現在の街並みからは、鷹狩を楽しみ、馬が駆け抜けた場所とは想像もつきませんが、当時は何もない田舎だったようです。

青山霊園は桜の名所としても知られ、近隣住民の散歩コースにもなっている

明治時代になると、街が少しずつ発展していきます。東京オリンピックの頃になると、国立競技場から渋谷方面に抜ける道として青山通りが拡張され、現在の道幅に。1960年代に大流行したアイビーファッションブランド『VAN(ヴァン)』が本社を構えたことをきっかけに、当時最先端のファッションブランドが店舗を構え、デザイナーや建築家が事務所を構えるようになり、南青山がトレンドの発信地へと変貌していきました。
現在の南青山は、世界中のハイブランドが店舗を構え、趣向を凝らしたデザインの建築が美しい街並みを形成しています。ハイセンスなレストランやカフェが多く、根津美術館をはじめとするアートスポットも点在。美意識の高い街が、ハイセンスな人々を引き寄せているようです。

そんな南青山の暮らしの魅力について、この街に住んでいらっしゃるNさんにお話を伺いました。Nさんは表参道で美容室を2店舗経営され、14年前に都内から引っ越しされて以来、南青山内で何度か転居。『南青山以外に住みたい場所は思い浮かばない』のだそうです。

洗練された街に住むメリットは無限大。何にも代えられない心地よさがここに

──はじめに、Nさんが南青山に住み始めたきっかけを教えてください。

Nさん(以下、N):私は美容師で、表参道にある店に通勤していました。14年前、独立して表参道に店を出すことになったタイミングで、表参道に近い南青山に住居を移しました。私にとって表参道近辺は、“働く場所”というイメージが強く、居住のイメージはなかったのですが、実際に住んでみると、ほんとうに毎日が快適です。何度か引っ越しをしましたが、すべて南青山の町内です。ここが好きで、他の町は考えられませんでした。

──南青山のどんなところが、Nさんを魅了しているのでしょうか。

N:南青山のよいところはたくさんあるので、全て説明するのが難しいのですが、ひとつは街が洗練されているところですね。美容師は職業柄トレンドを意識していなければいけませんが、南青山を歩く人は皆さんほんとうに素敵で、刺激をもらえます。芸能人や海外セレブもよく歩いていますが、他の人も皆おしゃれなので、意外に目立たないんですよ。
こんなに街全体が洗練されているところは他にないのではないでしょうか。ここに住んでいると『ラフすぎる恰好では歩けないな』という緊張感もあり、それもまた心地良いですね。

──南青山=ファッションの街というイメージを持つ人も多いと思いますが、住宅地として、住み心地はいかがですか?

N:静かで落ち着いている街なので、住み心地は良いですね。南青山に住む前は、『訪れて楽しい場所だけれど、住むには不便があるのかな』と心配したのですが、まったくの杞憂でした。南青山にはスーパーマーケットも何軒かありますし、おいしいパン屋さんが多いところも気に入っています。

──住民同士のつながりのようなものはあるのでしょうか。

N:ありますよ。生活感がない街に見えるかもしれませんが、住民も結構多いんです。
アパレルショップに買い物に行った先で知り合って人脈が繋がっていくこともありますし、お店に来ていただいたお客様とお話して『ご近所ですね』ということも。知り合うのも、ファッションデザイナーやギャラリーをやっている方など面白い方が多いんです。様々なお仕事を第一線でやられている方々に出会えるというのも、南青山ならではなんだろうなと思います。
皆さんお仕事がお忙しいので、べったりした近所づきあいはなく、ほどよい距離でのお付き合いをしています。それもまたこの街のいいところですね。

──素敵な人間関係が築ける街に住むと、お仕事にも良い影響がありそうですね。

N:そうですね。人間関係に限らず、街からパワーをもらっています。私が住んでいるのは、骨董通りの先、西麻布に近いエリアで、少し高台になっているので視界を遮る建物がなく、見晴らしが良くて気持ちがいいんです。特に晴れた日の朝はとても爽やかなんですよ。
毎日を気分良く過ごすことは、仕事にも良い影響がありますね。経営者の私が暗い顔をしていたらスタッフも力を出せなくなるので、いつも良い気分でいることが大事なんです。また、街からのパワーといえば、南青山には明治神宮からの良い “気” が流れていると言われているそうですが、ほんとうに気持ちの良い空気の流れのようなものを感じます。これもまた、私が南青山を気に入っている理由のひとつです。

「特別」が日常になる毎日を楽しむ暮らし

──休日はどのように過ごされているのですか?

N:朝ゆっくりできるときは、近所のカフェに出かけて朝食をとることもあります。日常的に外食を楽しめる場所が徒歩圏内にたくさんあるのはうれしいですね。
近場でよく遊びに行くのは「六本木ヒルズ」や「東京ミッドタウン」。最近オープンした「麻布台ヒルズ」にも行きますね。どこも南青山からタクシーで1,000円ぐらいの距離で、西麻布なんかは歩いても行けてしまう。遊び放題です(笑)
南青山は、高樹町インターが近いので、車で遠出するにも便利ですよ。海釣りが趣味で横浜方面に行くことが多いのですが、道が空いていれば30分かからないんですよ。交通アクセスが良いと、フットワークが軽くなりますね。

Nさんが朝食に訪れるお店の一つ「breadworks」。テラス席もあり、都会にいながらリゾート気分を味わえる

──お話を伺っていると、毎日がとても楽しそうですね。最後に、Nさんにとっての “豊かな暮らし”  とは、どんなものだとお考えでしょうか。

N:難しい質問ですね。私はこの街での暮らしを “豊かな暮らし” だと感じていますが、それは単に贅沢をするという意味ではないんです。たとえば、居心地の良いカフェに歩いて行きゆっくり朝食をとる、ちょっと散歩をしても、おしゃれで洗練された人とすれ違う。そういう特別な時間を街が私に与えてくれる――それが “豊かさ” と言えるかもしれませんね。
豊かさといえば、この街は情報も豊か。自分から探しに行かなくても、街に出ればファッションブランドがイベントをやっているところに遭遇したりと、歩くだけで情報が向こうからやってくるんです。ここはそんな “特別” を日常的に楽しめる街です。
南青山の暮らしは、たしかに、生活していく上で出ていくお金は多いかもしれないけれど、得るものはそれ以上に大きい。この街以外に住む選択肢は考えられないですし、ここからもう離れられないですね。

都心とは思えないほど静かで空が開けているエリアも

洗練された街に住まう心地よさを満喫していらっしゃるNさん。大勢のスタッフを率いる経営者として、『常に明るく、前向きでいたい』と語っていらっしゃいました。心地よくリラックスできるだけでなく、ポジティブなパワーももらえる街に住むことは、とても大事なことなのだそうです。   

気持ちの良い空気が流れ、日常的にトレンドの最先端に触れられる“特別”があふれている「南青山」。自然と感性が磨かれる暮らしがしたいと思ったら、この街を選んでみてはいかがでしょうか。



Text by Sayoko Murakushi
         

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